Google Antigravityとは?
使い方・料金・機能・
始め方を完全解説
Googleが2025年11月にリリースしたエージェントファーストのAI IDE。「AIに指示するだけでアプリが完成する」と話題沸騰中。Windsurfチーム開発の背景・4つの料金プラン・デメリット4点・Intel Mac非対応などの注意点・Cursor/Claude Codeとの比較まで競合を全読みして書いた完全版。
1. Google Antigravityとは
Google Antigravity(アンチグラビティ)は、Googleが2025年11月18日にGemini 3の発表と同時にリリースした、エージェントファーストのAI統合開発環境(IDE)だ。ベースはVS Code(Visual Studio Code)のクローンであり、既存のVS CodeユーザーやCursorユーザーなら違和感なく操作を始められる。
名前の由来は「重力(Gravity)からの解放」——「こういうものを作って」と自然言語で指示するだけで、AIエージェントが計画・実装・検証まで自律的に完遂するという、従来のIDEの制約から解き放たれるという思想を体現している。
- 開発チームはGoogleがWindsurfから3,600億円で引き抜いたメンバー——なぜこれが重要か
- 料金プランの日本円詳細:Individual(無料)・AI Plus(月1,200円)・AI Pro(月2,900円)・AI Ultra(月36,400円)
- クォータ切れで最大7日間待機が発生——無料プランの現実的な制約
- Intel Mac非対応(Apple Silicon M1以降必須)・企業用Workspaceアカウント不可という注意点
- Agent Skillsによるチーム知識の自動継承機能——競合が書いていない重要機能
- Nano Bananaによる画像生成機能
- デメリット4点:処理が遅い・利用枠が見えない・仕様変更が予告なし・セキュリティ懸念
- Cursor・Claude Code・Windsurfとの具体的な使い分け判断フロー
- 非エンジニア・マーケター・企画職でも使えるのか——実態の評価
2. 開発チームはWindsurfの創業メンバー
Antigravityの主要開発メンバーは、GoogleがWindsurfから引き抜いたチームだ。2025年7月、GoogleはWindsurfのCEOら主要な人材を約24億ドル(当時のレートで約3,600億円)で獲得したと報道されている。
- Anshul Ramachandran氏——Windsurfの創業メンバー
- Kevin Hou氏——WindsurfのHead of Product Engineering
- Matthew Li氏——Agent Platform Engineering Manager
WindsurfでAIコードエディタの商業化に成功しているチームが、GoogleのGeminiという巨大な後ろ盾を得て開発したのがAntigravityだ。単なる「Googleが作ったCursorの模倣品」ではなく、エージェントベースの開発を最初から設計思想として構築した点が最大の差別化要因となっている。
3. 主な機能7つ——エージェントファーストで何が変わるか
Antigravityには2つの操作画面がある。Editor ViewはVS Codeに近い従来型IDEの画面で、コードを直接書いたり細かく修正したりするときに使う。Manager View(Cmd+E で切り替え)は複数のAIエージェントを指揮・管理する司令塔で、「このアプリをゼロから作って」と指示を出したあと、AIの進捗をモニタリングしながら自分は別の作業を進められる。この2画面の明確な分離がAntigravity最大の特徴だ。
複数のAIエージェントが同時並行で動く。「新機能を追加しつつ、既存のバグも直したい」という場面で、エージェントAがバグ修正・エージェントBが新機能追加を同時に進められる。従来のAIツールは人間がAIの作業完了を待つ必要があったが、Antigravityでは複数のAIに異なるタスクを同時に指示でき、開発スピードが大幅に向上する。ただし複数エージェントの同時稼働は利用枠の消費も速くなる。
エージェントの作業結果が「Artifacts」として可視化される。種類はTask List(タスク一覧)・Implementation Plan(実装計画)・Walkthrough(作業まとめ)・Screenshots(スクリーンショット)・Browser Recordings(ブラウザ操作動画)など。GoogleドキュメントのようなコメントをArtifactsに直接残してフィードバックでき、実行フローを止めることなくAIへの指示を反映できる。「AIが何をしているかわからない」という不安を解消する機能だ。
エージェントがIDE内部からChromeブラウザを直接操作できる。「localhostで立ち上げたアプリの動作確認をして」と指示するとAIが自律的にブラウザを起動・操作・スクリーンショットを撮影して確認する。操作中はブラウザ上に青い枠とアクション内容が表示される。普段使いのChromeとは別プロファイルで動作するため、自分のGmailセッションへの影響もない。
エージェントが会話・タスクから重要な知識を自動的に「Knowledge Item」として保存・蓄積する機能。プロジェクト固有のルール・コーディングパターン・過去の修正方法をAIが学習し、次回以降のタスクに自動で活用する。チーム全体のノウハウを継承させることもでき、「以前こうやって解決した問題を同じ方法で」という指示が通るようになる。AIsmileyなど多くの競合記事が未記載の重要機能。
Gemini 3 Proをベースに構築された画像生成機能「Nano Banana Pro」がAntigravityに正式統合されている。Webサイトのビジュアルやアプリのアイコン、バナー等をコーディングと同じ環境内で生成できる。「デザインはお任せで」という指示でAIがサイトのビジュアルまで自動生成してくれるため、デザイナーがいないチームでも見栄えの良いプロトタイプが作れる。
外部ツール・データベース・サービスと接続するための標準プロトコルMCPに対応。2026年3月時点でMCP Storeには30以上のサーバーが公開されており、GitHub・Figma・Firebase・Linear・Notion・Supabase・BigQuery・AlloyDB等と連携できる。「LinearのチケットをもとにコードをPRして」という指示が現実になる。
利用可能なAIモデル(2026年3月時点)
| モデル | 特徴 | 最適な用途 |
|---|---|---|
| Gemini 3.1 Pro(High/Low) | 2026年2月追加。ARC-AGI-2で従来の2倍以上のスコア | 複雑なタスク・長時間の連続処理 |
| Gemini 3 Pro(High/Low) | Antigravityのデフォルトモデル | 標準的な開発タスク全般 |
| Gemini 3 Flash | 軽量・高速。レートリミット消費を抑えたい場合向け | 軽微な修正・変数名変更・シンプルなバッシュ実行 |
| Claude Sonnet 4.5 | 自然言語の理解力・仕様書作成に強み | 仕様書作成・設計意図の言語化 |
| Claude Opus 4.6 | Thinking対応。最高品質の推論 | 複雑な要件整理・大規模コードベースの理解 |
| GPT-OSS 120B | オープンなモデル特性でカスタマイズ・検証向け | 柔軟な検証用途・実験的な利用 |
モデルはユーザーのターンごとに切り替えられる。「推論はClaude Opus 4.6で、実装はGemini 3 Flashで」という使い分けも可能だ。
4. 使い方・インストール手順
システム要件——ここで詰まる人が多い
| OS | 要件 | 注意点 |
|---|---|---|
| macOS | macOS 12(Monterey)以降 | ⚠ Intel Mac(x86)は非対応。Apple Silicon(M1/M2/M3/M4)必須 |
| Windows | Windows 10(64bit)以降 | x64・ARM64どちらも対応 |
| Linux | glibc 2.28以上、glibcxx 3.4.25以上 | Ubuntu 20・Debian 10・Fedora 36・RHEL 8等 |
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1公式サイトからダウンロード
antigravity.google/download にアクセスし、自分のOSに対応したインストーラをダウンロードする。
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2インストールとアカウント設定
インストール後、起動するとVS CodeやCursorからの設定インポートを提案される。使い慣れた環境を引き継ぎたい場合は選択する。次に個人のGoogleアカウント(@gmail.com)でログイン。
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3エージェントの権限設定
最も重要な初期設定画面「How do you want to use the Antigravity Agent?」でエージェントの権限を選択する。Review-driven development(推奨)はAIがコード修正・コマンド実行をしようとするたびにユーザーへレビューを求める設定。Secure ModeはAIが提案のみ行い実行は人間が行う最も制限が強いモード。Always Proceedはノーチェックで突き進む上級者向け設定。初めてなら「Review-driven development」を選ぼう。
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4日本語化の設定
設定画面の言語オプションから日本語を選択するか、拡張機能で日本語パックをインストールする。チャットやコマンド入力は最初から日本語で利用可能。また、エージェントのRulesに「日本語で返答してください」と設定すれば、エージェントとのやり取りがすべて日本語になる。
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5ブラウザ拡張機能のインストール(Browser Agent利用時)
AIにブラウザを操作させたい場合は「Antigravity Browser Extension」をChrome Web Storeからインストールする。初回起動時にインストールを求められるため、指示に従って進める。Macの場合はアクセシビリティのOS権限許可も必要。
エージェントモード(Conversation Mode)の使い分け
| モード | 特徴 | 使い所 |
|---|---|---|
| Planning Mode(計画モード) | 実行前にTask GroupsやArtifactsを作成してじっくり考える | 複雑なタスク・深いリサーチ・共同作業 |
| Fast Mode(高速モード) | 計画を飛ばして即座にタスクを実行 | 変数名変更・簡単なbashコマンド実行などシンプルな作業 |
5. 料金プラン詳細——4プランと日本円換算
$0 / 月
→ 個人開発者・まず試したい方向け
- Googleアカウント(Gmail)で利用開始
- 無制限のタブ補完・コマンドリクエスト
- 全モデルへのアクセス(利用上限あり)
- マルチエージェント・ブラウザ統合
- VS Code/Cursor からの設定インポート
月額1,200円(Google One AI Plus経由)
→ 週数回程度の定期利用者向け
- 無料プランより高いレートリミット枠
- Google Oneの他の特典も含む
- Google Driveストレージ拡張等のセット
月額2,900円(Google One AI Pro経由)
→ 日常的にヘビーに使いたい方・主力ツールとして使う方向け
- 高いレートリミット枠
- GCPの無料クレジット10ドル相当付与
- Vertex AI経由での高度な構成も試せる
- Google Oneの各種特典含む
月額36,400円
→ 企業・大規模チーム・最上位モデルへの優先アクセスが必要な方向け
- 最高のレートリミット枠
- 最新モデルへの優先アクセス
- Teamプラン:Google Workspace経由でチーム管理
- Organizationプラン:Google Cloud経由(近日公開)
6. メリット・デメリット——正直な評価
- 「指示するだけ」でアプリが完成する——最高水準の自律性
- Googleアカウントで即開始、無料プランが充実
- Gmailの持続可能性——Googleサービスの長期維持実績
- マルチエージェント並列処理で開発速度が向上
- Agent Skillsで組織のナレッジが自動蓄積
- Nano Bananaで画像生成まで同じ環境で完結
- 非エンジニア・マーケターでも使えるUI設計
- 処理が遅い:複雑なタスクでは待機時間が長く、CursorやClaude Codeより処理速度が遅いという報告が多い
- 残り利用枠が見えない:どのくらいクォータが残っているかが画面から確認できず、突然制限に達することがある
- 仕様変更が予告なく発生:パブリックプレビュー段階のため、利用制限の上限や機能が予告なく変更されることがある
- セキュリティ懸念(企業利用):コードがGoogleサーバーに送信される。機密コード・個人情報を含むプロジェクトでの使用は注意が必要
7. Cursor・Claude Code・Windsurfとの比較
本記事対象
- エージェントファースト設計
- マルチエージェント並列処理
- ブラウザ統合・画像生成
- Googleアカウントで無料開始
- 処理速度はやや遅め
人間主導型
- 人間がコードの主体
- 高精度なコード補完
- 細かいコントロールが得意
- 月約3,100円〜
- 処理速度が速い
CLI特化
- ターミナル(CLI)中心
- 超優秀なエンジニアと協働する感覚
- 入門ハードルが高め
- エンジニア上級者向け
- Antigravity内で拡張機能として使える
Antigravityの前身
- AI IDEのパイオニア
- Antigravityの開発チームの出身地
- 安定した実績
- Antigravityより機能は少なめ
| あなたの状況 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| AIに丸投げしてアプリを完成させたい・非エンジニア | Antigravity | 「指示するだけ」の設計思想。Googleアカウントで無料開始できる |
| AI補助を活用しつつ自分がコードの主体でいたい | Cursor | 人間主導型の設計で、細かいコントロールが得意 |
| ターミナル操作が得意な上級エンジニア | Claude Code | CLI特化で最高水準の推論力。AntigravityとClaude Codeの併用も可能 |
| 試行錯誤しながらじっくり作りたい | Cursor | Antigravityの「丸投げ」スタイルよりCursorの逐次型のほうが合う |
8. どんな人に向いているか
| ユーザータイプ | Antigravity向き度 | 理由・補足 |
|---|---|---|
| マーケター・企画職・事業担当者(非エンジニア) | ◎ 最適 | 「アイデアはあるけど技術がない」という方に最もフィット。自然言語の指示だけでプロトタイプが完成する |
| Vibeコーディング・プロトタイプ作成をしたい方 | ◎ 最適 | プロトタイプ・MVP制作では、AIに指示するだけで高クオリティなWebサイトやアプリが完成する |
| 複数プロジェクトを並行管理したいエンジニア | ○ 向いている | マルチエージェント・複数ワークスペース並列管理がシニアエンジニアには最高の機能 |
| 細かくコードをコントロールしたいエンジニア | △ 微妙 | 「丸投げ」スタイルより、Cursorのような逐次型のほうが合う。AntigravityのEditor Viewで対応は可能 |
| 機密コードを扱う企業・組織 | ✗ 要注意 | コードがGoogleサーバーに送信される。機密情報の取り扱いに注意が必要 |
9. セキュリティ・データ管理の注意点
Antigravityの利用にあたっては以下の4つの規約が適用される:Google利用規約・Antigravity追加利用規約・Googleプライバシーポリシー・生成AI追加利用規約。
- データ収集:サービス改善のためプロンプト・生成結果などのデータが収集される可能性がある
- AI学習への利用:入力したコードや会話がAIモデルの学習に使用される場合がある
- エージェントの責任:AIが自律的にコードを生成・実行するが、その結果に対する責任はすべてユーザー側にある
- サードパーティモデル:Claude Opus 4.6やGPT-OSSを使う場合は各提供元の利用規約も適用される
機密コード・個人情報・未発表の製品情報を含むプロジェクトでの利用は慎重に検討すること。完全ローカル処理が必要な場合は現状Cursorが優勢。
