登壇者:Sergei Glaukus (セルゲイ・グラウクス)
Founder & CEO, 88PROJECTS (DRマーケティング、アフィリエイト、Eコマースの領域で10年以上のキャリアを持ち、ニュートラ市場で「8桁収益」を叩き出し続けるトップランナー)

【序章】熱狂のバンコクが映し出す「日本のD2C企業」の致命的欠陥
タイ・バンコクで開催されたAffiliate World Asia (AWA)は、世界中のキャッシュフローを支配するマーケティングシステムが集結する、まさに「富の交差点」でした。ここで88PROJECTSのSergei Glaukus氏が公開したセッション「How to create your own 7-figure nutra offer, at no cost and with 0 experience」の衝撃は、日本の経営者層に今すぐ届かなければなりません。
我々LIFRELL編集部は、貴方が現地で感じ取った熱量と、セッションの細部にわたる情報(音声、スライド画像)を統合し、日本企業が「数億円の利益を確実に取りこぼしている」構造的欠陥を明らかにします。

その核心は、**「リスク・コスト・スピード」**の捉え方です。
日本企業が**「自社開発・自前主義」という古い価値観に縛られ、「コンプライアンス」や「決済リスク」を内製で抱え込んでいる間に、世界のプレイヤーは「6つの柱」に基づく「外部資源によるシステム構築」へと完全にシフトしました。このシステムこそが、「経験ゼロ、コストゼロ(低コスト)」でありながら、年商10億円超えの「7桁収益」**を可能にする、現代の錬金術なのです。
本レポートは、このシステム設計図の各要素のディテールを深掘りし、日本市場でこの「黒船システム」をどう実装するかという、具体的な行動指針まで踏み込みます。
【本編】7桁収益を自動化する「6つの柱」の解体と技術的ディテール
Sergei氏のフレームワークは、ビジネスにおけるリスクを極限まで排除し、利益を生む工程だけに資源を集中させる冷徹な合理主義に基づいています。
Pillar 1: Products(プロダクト)の再定義と高速調達戦略

Sergei氏は、プロダクト開発における**「Good(品質)」「Fast(スピード)」「Cheap(安さ)」の三角形を示し、「3つ全ては存在しない」という残酷な現実を突きつけました。日本企業は「Good and Cheap」を選び、スピードを犠牲にするが、ハイリスク市場で勝つために必要なのは「Good and Fast」**です。
1. 7ヶ月の失敗が教えたこと: Sergei氏が語った「7ヶ月の待機時間」の失敗は、**「工場(B2B)はマーケター(B2C)のスピードを理解しない」**という根本的な構造的問題を示しています。オンライン市場は数週間でトレンドが変わります。7ヶ月の待ち時間は、7ヶ月分の販売機会損失であり、即座に市場撤退を意味します。
2. 世界標準の「ホワイトラベル・ハック」: 解決策は、**「認定済みのプロダクトカタログを保有する専門サプライヤー」**をパートナーとすることです。
- コンプライアンス・アウトソーシング: GloryProductsのような企業は、単にサプリメントを提供するだけでなく、**各国の法律に適合したラベリング、成分証明書、公的な認証(Certification)を既にパッケージ化しています。これにより、オファーオーナーは、法務チームを雇う費用と時間を一切かけずに、「完全なコンプライアンス」**を2週間で手に入れられるのです。
- 米国のエコシステム: ShipOffers, JetPack, The Fulfillment Lab, Rocktomic, Supifulといった企業は、ニュートラ市場特有のロット管理、リピート需要への対応、規制に合わせた出荷体制を備えています。
【LIFRELLの知見】 この戦略は、「プロダクトの優位性」を「市場投入の速さ」と「リスクの低さ」に再定義するものです。日本のD2C企業は、市場で既に効果が証明されている製品を、いかに早く、コンプライアンスを完全に保って発売するかに注力すべきです。
Pillar 2: Traffic & Niche(トラフィックとニッチ)
〜Adplexityによる「勝者の設計図」窃取〜

Sergei氏のトラフィック戦略は、**「創造ではなく、模倣による最適化」**という冷徹な原則に基づいています。
1. スパイツール(Adplexity)の活用方法の解像度: 単に「売れている広告を見る」だけではありません。
- フィルター分析: Adplexityで、過去3ヶ月、6ヶ月、あるいは1年以上にわたり「出稿され続けている」広告にフィルターをかけます。これは、そのキャンペーンが**「計算可能な利益」**を生み出し続けている、揺るぎない証拠です。
- アングル窃取: 広告クリエイティブ、ランディングページ、VSLの「オープニング」で使われている**感情的アングル(例:「医師が隠したがる秘密」「〇〇業界があなたに知られたくない真実」)**を特定します。
- トラフィックソース特定: そのアングルがNative Ads(MGID, Outbrain)、Facebook、Adult Networksのどの媒体で最も長く続いているかを確認し、そのトラフィックソースに特化して出稿します。
2. トラフィックソースの選択と集中:
- レッドオーシャン回避: FacebookやGoogleはすでに競争が激しいため、低予算から始めるならNative Adsや**Tier 2/3の国々(ポーランド、南米、東南アジアなど)**を狙うのが賢明です。
- 集中のルール: 「一つのトラフィックソースをマスターせよ」。この集中力こそが、アルゴリズムをハックし、コストを最適化する唯一の方法です。
Pillar 3: Domains, Tech & Funnels(技術とインフラ)
〜DDoS攻撃と超高速LPの防御壁〜

7桁のキャンペーンを支える技術基盤は、単に「ウェブサイト」ではありません。それは「攻撃に耐え、瞬時にロードし、正確に計測する要塞(Fortress)」です。
1. クラウドフレア(Cloudflare)の非情な必要性: Sergei氏は、ドメインとDNS管理においてCloudflareの利用を必須としました。これは、単なるCDN(コンテンツ配信ネットワーク)ではありません。キャンペーンが成功すれば、競合や悪意ある勢力からのDDoS攻撃やボットによるトラフィック乗っ取りが必ず発生します。Cloudflareは、あなたのウェブサイトをこれらの攻撃から守る、デジタル戦線における軍事シールドの役割を果たします。
2. 高速ファンネルの構築:
- ページビルダー: ClickFunnelsやConvertriなどのHosted型ツールは、サーバー管理不要で、DRマーケティングに最適化されたLP(ランディングページ)を瞬時に立ち上げます。
- トラッキングの厳格化: Volume、RedTrack、Binomといったプロフェッショナルなトラッカーを使用し、クリック、コンバージョン、特にアップセルやリピート注文まで、全収益経路を漏れなく測定します。トラッキングの誤差は、スケール戦略を誤らせる致命的なノイズとなります。
Pillar 4: Payments(決済)の絶対的安全化戦略
前回以上に強調します。この柱こそが、日本企業の経営者を救う、あるいは破滅させる境界線です。

1. キャッシュフロー停止のメカニズム: StripeやPayPalは、アカウントを停止する際、「高チャージバック率」「高リスク商材」「短期間での高額売上」の組み合わせをフラグとして検知します。一度凍結されると、資金は数週間から数ヶ月、最悪の場合は永久に差し止められます。
2. MoRモデルの技術的解剖: Sergei氏が推奨するDigistore24などは、Merchant of Record (MoR)、すなわち「記録上の販売者」として機能します。
- 技術フローの深掘り: 顧客があなたのLPの購入ボタンをクリックすると、URLは即座にDigistore24のセキュアな支払いゲートウェイへリダイレクトされます。この際、あなたのドメインから支払い情報が一切流出しないため、あなたはカード会社の監視対象から外れるのです。
- メリットの最大化: Digistore24は、世界中のローカル決済(例:ヨーロッパでの銀行振込、特定の国のデビットカード)に対応しており、カバレッジが格段に広がります。
Pillar 5: Delivery / 3PL(物流)
〜チャージバック率を制御する「最終防衛ライン」〜
チャージバックが多発すると、決済プロバイダー(Digistore24でさえ)から警告を受けます。物流は、このチャージバック率を制御する最後の砦です。

- Hermès vs. DHLの教訓: 配送遅延や紛失は、顧客に「だまされた」と感じさせ、即座にカード会社にチャージバックを申請させます。Sergei氏は、安価なキャリアを選んだ結果、リファンドが増加し、ビジネスの信頼性を損なった経験から、**高コストでも確実なキャリア(DHL)**を最初から選ぶべきだと断言しました。
- 3PLの選択基準: 単に倉庫業務を行うだけでなく、**高収益ビジネス特有のフルフィルメント知識(例:アップセル商品の同梱、迅速な返品処理)**を持つ専門業者(JetPack, Eagle Labsなど)を選ぶことが、スケール時のボトルネックを解消します。
Pillar 6: Customer Support & Backend(サポートとリテンション)
〜LTV最大化のための「人間的再接続」〜
Sergei氏は、サステナブルな7桁収益は、初回販売ではなく、リピートとバックエンドによって生み出されると説きます。
1. AOV & 1-Click Upsellの技術:

- マクドナルド理論の実装: 初回購入後に表示されるアップセルページで、顧客はカード情報を再入力することなく**「ワンクリック」で追加購入できます。これは、Digistore24などのプラットフォームが顧客の決済トークン**を保持しているからこそ可能な技術であり、顧客の衝動的な購買意欲が冷める前に、客単価を最大化します。
2. CLV(生涯顧客価値)の人間的再接続:
- CRM戦略: 商品がなくなる6ヶ月後、あるいは10年後であっても、CRMシステムが自動で顧客の消費サイクルをトラッキングし、電話やメッセンジャーアプリでパーソナルなリオーダーを促します。ニュートラ市場は「エバーグリーン」なため、一度効果を感じた顧客は、ブランドとの「人間的な再接続」によって、高い確率でリピート購入します。

【Q&Aセッション:会場が凍りついた「本質的」な問い】
Q1: MoR決済プロバイダーを利用すると、データや顧客リストの所有権はどこにあるのか?データ分析に影響はないか?
Sergei氏の回答(深掘り): 「プロバイダーは『決済』の管理主体ですが、顧客リスト(名前、メールアドレス)の所有権はあなたのものです。あなたがDigistore24などのAPI経由でデータを取得し、自社のCRMシステム(ZendeskやHelpscout、あるいは自前のデータベース)に統合管理します。重要なのは、正確なコンバージョントラッキングです。Volumeのようなプロフェッショナルなトラッカーを使えば、Digistore24からのサンキューページのリダイレクト時に、**全データ(アップセル情報を含む)**を正確に捕捉できるため、分析に支障はありません。データはあなたの資産であり、プロバイダーは単なる『安全な取引のパイプ役』に過ぎません。」
Q2: ニュートラ市場で、最も避けなければならない法的・倫理的なアングルは?
Sergei氏の回答(深掘り): 「『治癒(Cure)』や『保証(Guaranteed)』といった言葉は絶対に避けるべきです。特にアメリカFDAやEUの規制当局は、医学的な効能を過度に謳う表現に非常に厳しい。代わりに使うべきは、**『サポート(Support)』『ヘルプ(Help)』『改善(Improvement)』といった表現です。また、顧客の成功事例(Testimonials)を使う場合も、『結果には個人差があります(Results may vary)』**という免責事項(Disclaimer)をLPの最下部に必ず明記しなければならない。このコンプライアンスの遵守は、一時的な利益よりも重要だ。」
Q3: 経験ゼロから始める際、最も予算を投じるべきは「クリエイティブ」か「ターゲティング」か?
Sergei氏の回答(要約): 「まず、**『クリエイティブ』、特に『アングル』に予算を投じよ。ターゲティングは、FacebookやGoogleが自動で最適化してくれる。しかし、広告を見た顧客の心を掴む『フック(Hook)』と『ストーリー(Story)』**は、人間が生み出すものだ。Adplexityで勝者のアングルを学び、それをプロのコピーライターやAIツールで洗練させる。最もお金を払うべきは、**顧客の感情を揺さぶり、LPへ誘導する『最初の5秒』**を設計することだ。」

🗣️LIFRELL編集部・総括コメント:
〜このレポートを読まないのは、貴社の未来を放棄するに等しい〜
このレポートに目を通した貴方は、既に日本のマーケティング担当者の**上位0.1%に位置しています。なぜなら、貴方は「世界のキャッシュフローの仕組み」**を知ったからです。
- システムと人間の境界線: Sergei氏の成功は、**「人間が行うべきこと(クリエイティブ、アングル、CRMの人間的な再接続)」と「システムが行うべきこと(決済、物流、セキュリティ、トラッキング)」**の境界線を極めて明確に引いた結果です。日本企業は、システムが担うべきリスクを人間が抱え込み、人間が行うべき創造的な部分に時間を割けていません。
- LIFRELLは貴社の「インテグレーター」である 我々LIFRELL編集部は、このフレームワークの全ステップにおける技術的、法務的なギャップを埋める、日本唯一のインテグレーターとして存在します。
- 決済の橋渡し: Digistore24、BuyGoodsといった海外ハイリスク決済プロバイダーとの契約、API連携、そして日本国内の法人における会計処理への落とし込み。
- コンプライアンスの盾: 海外の最新の広告規制に基づき、貴社のランディングページに「免責事項」や「法的文言」を組み込む支援。
- トラフィックの最適化: Volume、RedTrack、Adplexityを用いた**「グローバルスタンダードの計測環境」**の構築。
最終的な警告: 今すぐ、貴社の決済システム、物流体制、そしてインフラを見直してください。StripeやPayPalに依存したまま、ニュートラのような高収益市場に参入するのは、武装せずに戦場へ向かうに等しい愚行です。
LIFRELL編集部には、既にこの「黒船システム」を実装し、「キャッシュフローの悪夢」から解放されたD2C企業やアフィリエイトチームからの問い合わせが殺到しています。貴社がこの波に乗り遅れることがないよう、本レポートの内容を具体化するためのご相談を心よりお待ちしております。
(文・LIFRELL編集長 佐藤祐介 / 執筆地:LIFRELL編集部 グローバルリサーチ部門)

