Gemini Omniとは?動画を「理解」して作るAI——World Modelと使い方を徹底解説【Google I/O 2026】

🔄 2026年7月時点の情報に更新

「動画版のGemini」がついに登場——テキスト・画像・音声、なんでも動画に変換するAIモデルの全貌。

📅 2026年5月21日公開
🔄 2026年7月11日更新
✍️ LIF Tech編集部
🕐 約7分で読めます
📌 この記事でわかること
  • Gemini Omniとは何か、VeoやSoraとの決定的な違い
  • 「World Model」という設計思想が意味すること
  • 4つの主要機能と実際にできること
  • 無料で使える方法と有料プランの違い
  • 2026年6月30日に開始したAPI提供の使い方
  • 日本語コンテンツ制作への活用シーン
Gemini Omniとは?「動画を理解するAI」という新次元
2026年5月19日 Google I/O 2026で発表。Geminiの知能と動画生成を一体化した全く新しいモデル。

2026年5月19日のGoogle I/O 2026で発表された「Gemini Omni(ジェミニ・オムニ)」は、一言で言うと「Geminiの頭脳を持つ動画生成AI」です。

これまでの動画生成AI(RunwayやKlingなど)は「それらしい映像を作る」ことに特化していました。Gemini Omniはアプローチが根本的に違います。物理法則・歴史・科学・文化的背景を理解したうえで「次に何が起こるべきか」を推論しながら映像を生成する——Googleはこれを「World Model(世界モデル)」と呼んでいます。

さらにGemini Omniはテキスト・画像・音声・動画・スケッチなど、あらゆる入力から動画を生成・編集できる「any-to-any」設計です。写真1枚でも、音声だけでも、既存動画の一部分でも——組み合わせて指示すれば、自然な動画が出来上がります。

発表日
2026年5月19日

最初のモデル
Gemini Omni Flash

動画長(現在)
最大10秒

透かし技術
SynthID

無料利用
YouTube Shortsで可

API
提供開始済み

⚠️ 利用条件:Gemini Omniの動画関連機能は18歳以上のユーザーが対象です。また動画→動画の編集など一部の機能は、国・地域によって利用できない場合があります。詳細はGoogleのヘルプセンターで確認してください。

「World Model」って何?——Soraや他の動画AIと何が違うのか
ここが他社との最大の差別化ポイントです。

従来の動画生成AIは「学習した映像パターンを組み合わせて、それらしい絵を作る」モデルです。たとえば「ガラスが割れる動画」を生成すると、学習データに基づいた「割れっぽい映像」が出てきますが、物理的な正確さは保証されません。

Gemini Omniは違います。Geminiが持つ「物理・歴史・科学・文化」の知識が動画生成に組み込まれているため、「現実世界でこれが起きたら、次に何が起こるか」を推論して映像を作ります。Googleが「テキスト予測から現実世界のシミュレーションへ」と表現しているのはこの意味です。

また、Gemini Omniはバイオリンを弾く人物・背景・カメラアングルを会話しながら段階的に変えていける「マルチターン編集」に対応しています。一発生成で終わりではなく、対話を重ねながら理想の映像に近づけていける設計です。

📌 訂正・アップデート(2026年7月時点):Gemini OmniはVeo(動画生成)・Nano Banana(画像生成・編集)・Genie(インタラクティブワールドモデル)、それぞれの強みを1つの基盤に統合した新系統モデルです。Google公式は「Gemini OmniはGeminiアプリ内のVeoを置き換える」と明言しており、当初の想定と異なりVeoとの単純な併存ではなく、Gemini Omniへの統合・移行が進んでいる段階です。Veoブランド自体がAPI等で今後どう扱われるかは今後の発表を確認したい。

Gemini Omniの4つの主要機能
公式発表に基づいた機能整理です。
💬
① 会話型マルチターン編集
一度作った動画を、会話しながら繰り返し編集できます。「背景を夕暮れにして」「バイオリンを透明にして」「カメラを引いて」と順番に指示するだけで、前の編集内容を引き継ぎながら映像が洗練されていきます。
  • 複数ターンにわたって編集を積み重ねられる
  • プロンプト1つで完結させる必要がない
  • 「ここだけ直したい」という部分修正にも対応

🧠
② 世界知識ベースの生成(World Model)
Geminiが持つ物理・歴史・科学・文化の知識を動画生成に活用。「それらしい映像」ではなく「現実的に正しい映像」を生成することを目指すモデルです。アルファベットなど複雑なテキストオブジェクトの生成も得意としています。
  • 物理法則を踏まえた自然な動きの表現
  • 文化的・歴史的文脈を理解した映像生成
  • 「次に何が起こるか」を推論しながら生成

🎛️
③ マルチリファレンス入力
テキスト・画像・音声・動画・スケッチなど、複数の素材を同時に入力できます。「この人物の顔(写真)+この場所(動画)+このBGM(音声)」をまとめて投入すれば、1つの統合された動画が生成されます。
  • 人物・ロケーション・スタイルを別々に指定可能
  • 素材のスタイルやカメラワークだけを抽出して別映像に適用
  • 複数素材の一貫した統合が得意

🎭
④ Avatars(AIアバター生成)
自分自身のデジタル版「AIアバター」を作り、そのアバターを使って動画を生成できる機能です。毎回写真をアップロードする手間を省けるほか、Googleは「安全かつセキュアに、完全に任意で利用できる」機能と説明しています。アバターの利用は本人のみに許可され、勝手に第三者に使われることはありません。
  • 自分そっくりの見た目・声で動画を生成できる
  • 写真アップロードのステップを省略できる
  • 利用は完全にオプトイン(任意)で本人限定

どこで使える?料金は?——プラットフォーム別まとめ
無料で試せる経路もあります。
🤖
Geminiアプリ
Web・Android・iOS。Plus/Pro/Ultraユーザー向け。最もフル機能で使える。18歳以上限定。

🎬
Google Flow
Google Labsの映像制作スタジオ。Omni搭載で対話形式の動画生成・編集が可能。

📱
YouTube Shorts
YouTube Shorts Remix・YouTube Createアプリで無料提供中(18歳以上)。

無料で利用可

今すぐ無料で試したい場合は、YouTube ShortsまたはYouTube Createアプリが最短ルートです。フル機能を使いたい場合はGemini AI Plus($7.99/月)以上への加入が必要です。

🆕 API提供が開始されました(2026年6月30日):当初「今後数週間で提供予定」とされていたAPIは、Google AI Studio・Gemini API経由ですでに一般提供が始まっています。開発者はaistudio.google.comにアクセスし、モデル選択で「Gemini Omni Flash」を選ぶだけで試せます。テキスト・画像生成で既にGemini APIを使っている場合、モデル名を差し替えるだけで動画生成・会話型編集を同じパイプラインに追加できます。料金の詳細はGemini APIリファレンスで確認してください。
⚠️ 現時点の制約:動画長は現在最大10秒です。これは技術的な限界ではなく「展開上の判断」とGoogle側が説明しており、今後延長が見込まれます。モデルカードでは高解像度の動画に音声を含めて出力できるとされていますが、独立した画像・音声のみの出力はGemini Omniファミリーへの「今後の追加機能」として予定されています。

こんな使い方ができる——実践的な活用シーン
📸
写真1枚から動く映像へ
旅行写真・商品写真・ポートレートをそのまま入力。自然に動く動画クリップに変換できる。SNSのReelsやShortsへの活用に最適。

🎥
既存動画の部分修正
「この背景だけ変えたい」「この人物の服だけ変えたい」という部分修正を会話で指示。全部撮り直しが不要になる。

🎵
音声・BGMから動画生成
音声サンプルやBGMをリファレンスとして入力し、音に合わせた映像を生成。ミュージックビデオ制作の新手法。

🛍️
商品・ECの動画コンテンツ
商品写真+テキスト説明から、自動で商品紹介動画を生成。広告クリエイティブの制作コストを大幅削減できる。

📰
メディア・ブログのサムネ動画
記事のテキストやアイキャッチ画像をもとに、SNS用の短尺動画を自動生成。LIF Techのような媒体でのX・LinkedIn投稿にも活用できる。

🎓
教育・解説コンテンツ
テキスト解説+図解画像を組み合わせて、わかりやすいアニメーション解説動画に変換。世界知識ベースの生成で科学的な正確さも担保。

👨‍💻
開発者:自社サービスへの組み込み
Gemini APIをすでに使っているプロダクトなら、モデル名の差し替えだけで動画生成・会話型編集機能を追加できる。マーケティングツールやコンテンツ自動生成パイプラインへの統合が容易。

Veo・Runway・Kling・Soraとの違いは?
「既存の動画AIと何が違うの?」という疑問に答えます。
Gemini Omni(今回)
Geminiの知能を動画生成に統合。会話編集・マルチリファレンス・World Modelが強み。現在は最大10秒。APIも提供開始済み。Geminiアプリ内では今後Veoから置き換わっていく位置付け

Google Veo
映画的な高品質動画生成と音声付き動画に特化してきたモデル。Google公式はGemini Omniが「Geminiアプリ内のVeoを置き換える」と明言しており、今後はOmniへの統合が進む見通し。API等での取り扱いは今後の発表待ち。

Runway Gen-4
キャラクター・スタイルの一貫性保持に強み。映像制作プロ向け。Omniとは会話編集 vs 一貫性保持で住み分け。

Kling 3.0
モーション品質と自然な動きが強み。Omniとはモーション精度 vs 世界知識での住み分け。

一言でまとめると:Gemini Omniは「AI的に正しい映像を対話しながら作る」次世代モデルで、GeminiアプリにおけるVeoの後継的な位置付けになりつつあります。RunwayとKlingは引き続き「キャラクターの一貫性・モーション精度を追う」独自路線で差別化しています。YouTube Shortsでの無料利用ができる点も、他サービスにはない強みです。

AIが作った動画かどうか、どうわかる?——SynthIDとは

Gemini Omniで生成されたすべての動画には、肉眼では見えないデジタル透かし「SynthID」が自動で埋め込まれます。再エンコードやリサイズといった一般的な編集を加えても消えない設計になっています。

SynthIDが埋め込まれた動画かどうかは、Geminiアプリ・Chrome上のGemini・Google検索から確認できます。ファイルをアップロードして「これはGoogle AIで生成されたものか」と尋ねると、SynthIDの有無をチェックしたうえでGemini自身が推論して回答する仕組みです。

📌 検証対象が拡大:この確認機能は動画だけでなく、画像・音声を含めた検証に対象が広がっています。フェイクコンテンツの拡散防止やコンテンツの透明性確保に向けた、Googleの姿勢が表れた機能です。

よくある質問
Gemini Omniは日本語で使えますか?
はい、Gemini Omni Flashは2026年5月19日より世界中のGoogle AI Plus・Pro・Ultraユーザー向けにグローバル提供が開始されています。YouTube ShortsやYouTube Createアプリでは無料で利用できます(いずれも18歳以上)。日本語での指示にも対応しています。

動画は最大何秒まで作れますか?
現在は最大10秒です。ただしGoogle側は「これは技術的な制約ではなく展開上の判断」と説明しており、今後の延長が期待されます。

VeoとGemini Omniはどちらを使えばいい?
2026年7月時点では、Google公式が「Gemini OmniはGeminiアプリ内のVeoを置き換える」と明言しています。したがって新しく使い始めるならGemini Omniを軸に考えるのが自然です。Veoが提供してきた長尺・音声付きの高品質動画のような用途がOmniでどこまでカバーされるかは、今後の機能拡張(動画長の延長など)で変わってくる可能性があります。

APIはもう使えますか?
使えます。当初「今後数週間で提供予定」とされていましたが、2026年6月30日にGoogle AI Studio・Gemini API経由で一般提供が開始されました。aistudio.google.comでGoogleアカウントにログインし、モデル選択で「Gemini Omni Flash」を選べばすぐに試せます。既存のGemini APIパターンがそのまま使えるため、テキスト・画像生成からの移行コストも低めです。

画像や音声の出力もできますか?
モデルカードでは「高解像度の動画+音声」が出力形式として案内されており、動画には音声が含まれる形で生成されます。ただし、動画とは独立した画像単体・音声単体の出力は、Gemini Omniファミリーへの「今後の追加機能」としてGoogleが明言しており、現時点ではまだ一般提供されていません。

誰でも使えますか?年齢制限はありますか?
Gemini Omniの動画関連機能は18歳以上のユーザーが対象です。また、動画→動画のAI編集など一部の機能は国・地域によって利用できない場合があります。自分の国・アカウントで使えるかどうかは、Googleのヘルプセンターで確認することをおすすめします。

まとめ:Gemini Omniが変える動画制作の常識

Gemini Omniは「動画を生成するAI」ではなく「動画を理解して対話しながら作るAI」です。World Modelという設計思想が示す通り、単なる映像生成の域を超えた、現実世界をシミュレートするモデルへの第一歩といえます。2026年7月時点では、GeminiアプリにおけるVeoの後継的な位置付けであることが公式に明言され、APIも一般提供が始まるなど、発表当初より一段階前進した状態にあります。

特に注目したいのは、YouTube Shortsで無料利用できるという点です。試すハードルが極めて低く、SNS運用やコンテンツ制作に今すぐ活かせます。まずは手元の写真や短いテキストで試してみることをおすすめします。開発者であれば、Google AI StudioからAPI経由で試すのも簡単です。

動画長10秒の制限が解除され、Veoからの移行が本格化した先に何が起きるか——Gemini Omniは、AI動画生成の次の章を開く存在になりそうです。今後の展開をLIF Techで引き続き追っていきます。

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