30の最強Tips完全版
なぜCLAUDE.mdを最初に書くべきなのか。どこで多くの人が14%の性能を捨てているのか。Claude Codeの作者Boris Chernyが自ら公開したTips・隠し機能を、日本語で完全網羅。ほとんどのユーザーは機能の20%しか使っていない。
1. Boris Chernyとは——Claude Codeの生みの親
Boris Cherny(@bcherny)はAnthropicのエンジニアであり、Claude Codeの創設者・コアリードだ。2026年1月・3月・4月と複数回にわたってXでTipsスレッドを公開し、自身の日常ワークフローをそのまま公開した。注目すべきは「彼のセットアップは驚くほどシンプル(surprisingly vanilla)」という点だ——つまり派手なカスタマイズより正しい使い方が重要というメッセージでもある。
Boris本人が常時並列実行するセッション数
Boris X thread 2026年1月
2026年初頭のGitHub公開コミットへの貢献率
The Neuron 2026年3月
boris直伝TipsリポジトリのGitHubスター数
shanraisshan/claude-code-best-practice
ほとんどのユーザーが使っている機能の割合
DEV Community
- CLAUDE.mdをなぜ最初に書くべきか——「間違えたらCLAUDE.mdを更新する」という複利の仕組み
- なぜ多くの人が性能を14%捨てているのか——Thinking Modeを使わないことのコスト
- /loop・/schedule・Hooks——「眠っている間もClaudeが働く」設計
- /teleport・/btw・/batch・–bare——ほとんど知られていない隠し機能15選
- iOSアプリ+Dispatch——朝のスマホ操作でPCいらずで作業を進める方法
- マーケター・SEO担当者への応用——エンジニアでなくても使えるTipsを厳選
2. 【基本編】CLAUDE.md・セッション管理・モデル選択
間違えたら必ずCLAUDE.mdを更新する——「複利エンジニアリング」
最重要
@.claudeをタグすると、学びが自動でCLAUDE.mdに追記される仕組みも作っている。これを「Compounding Engineering(複利エンジニアリング)」と呼ぶ。積み重ねるほど間違い率が目に見えて下がる。CLAUDE.mdは3層構造で管理する
基本
~/.claude/CLAUDE.md)——自分の個人設定・好みのコーディングスタイル。②プロジェクト層(/プロジェクトルート/CLAUDE.md)——チーム共通ルール・コードスタイル・禁止ファイル。③ディレクトリ層(サブフォルダのCLAUDE.md)——特定機能の詳細ルール。すべてGitにチェックインしてチームのAI共通ルールブックとして管理するのがBorisの設計思想。Thinking Modeを使う——「遅いが結局速い」
重要
/clearと/compactを使い分ける
基本
/clearは無関係なタスク間で必ず使う。長いセッションに無関係な情報が蓄積すると品質が下がる。一方/compactは重要なコンテキストだけを保持したい時に使う。/compact Focus on the API changesのように指示付きでコンパクションすると、重要な文脈だけを圧縮して残せる。この使い分けがコンテキスト品質を維持するカギ。セッションに名前をつけて再開する
/rename oauth-migrationでセッションを命名。claude --resumeで過去のセッション一覧から選択して再開できる。長期プロジェクトで複数のコンテキストを並行管理する場合、名前がついていないと「どのセッションに何があったか」がわからなくなる。特に5〜10セッションを同時並行する場合は必須の習慣。/plan modeで実装前に計画を確認する
基本
/planと打つと、実装に入る前にClaude が計画を提示してくれる。計画を確認・修正してからGoを出すため、意図しない方向に作業が進むリスクを大幅に減らせる。大規模なリファクタリングや設計変更を含むタスクでは「まず/planで方針確認→承認→実装」の流れが標準になっている。3. 【並列化編】5〜10セッション同時稼働の設計
Borisの最も印象的な習慣が「ターミナルで5つ・Webで5〜10セッションを常時並列実行」だ。タブに1〜5の番号を振り、システム通知でどのセッションが入力待ちか即座に把握する。
git Worktreeで並列セッションのコード競合を防ぐ
重要
claude -wまたはclaude --worktreeで独立したgitワークツリーにClaudeを起動できる。各エージェントが独立したブランチで動くため、複数セッションが同じリポジトリで干渉しない。Borisは「dozens of Claudes running at all times」とTipsで語っており、worktreeが大規模並列の前提インフラとなっている。--tmuxフラグで独自のTmuxセッションにも起動できる。/batchで大規模タスクを一気に並列化する
NEW
/batchはBorisが「最強の機能の一つ」と語る新機能。Claudeがインタビュー形式でタスクを理解し、必要なだけの数のWorktreeエージェントに作業を分散する(数十・数百・数千のエージェントまでスケール可能)。大規模なコードマイグレーション・コンテンツの大量生成・データ変換など「並列化できるタスク」すべてに適用できる。各Worktreeエージェントは独立したコードベースのコピー上で作業する。AIの「待ち時間」を並列で埋める——ボトルネックの本質
考え方
4. 【自動化編】/loop・/schedule・Hooks
Borisのワークフローで最も衝撃的なのが「眠っている間もClaudeが働き続ける」設計だ。/loopと/scheduleを組み合わせることで、PR管理・Slack通知・コードレビューが自律的に回り続ける。
/loopで繰り返しタスクを永続化する
重要
/loop 5m /babysit — PRのコードレビューコメントを5分ごとに自動対応・自動リベース/loop 30m /slack-feedback — 30分ごとにSlackフィードバックに基づいてPRを自動作成/loop 1h /pr-pruner — 1時間ごとに古くなった不要なPRをクローズ/loop /post-merge-sweeper — マージ後に見落としたコードレビューコメントを自動処理
これらが常時稼働しているため、Borisは「コーディングしていない時はDispatching(遠隔操作)している」と語る。
/scheduleで最大1週間先のタスクを予約する
/scheduleで特定の時刻・曜日・間隔でタスクを自動実行できる。最大1週間先まで設定可能。「朝7時に昨日のGitHub issueをサマリーしてSlackに投稿」「毎週月曜にテスト結果をレポート」といった定期タスクをコードなしで設定できる。エンジニア以外でも使えるスケジューラー。Hooksでワークフローの特定タイミングに処理を挟む
上級
SessionStart — 起動時に文脈を動的にロード(プロジェクトの最新状況を自動取得)PreToolUse — モデルが実行するすべてのBashコマンドをログ記録PermissionRequest — 権限確認プロンプトをWhatsAppに転送して承認/拒否(離席中でも判断できる)Stop — Claudeが止まったら自動で再起動の指示を送る
5. 【隠し機能編】/teleport・/btw・/batch・–bare
/teleportでセッションをデバイス間で移動する
claude --teleportまたは/teleportでクラウドセッションをローカルターミナルに引き寄せられる。逆に/remote-controlでローカルで動いているセッションをスマホ・Web経由で遠隔操作できる。Borisは「/config で全セッションのRemote Controlをデフォルト有効」に設定している。通勤中にスマホでセッションを開始→帰宅後PCで続きをtelportで引き取る、という継ぎ目のないワークフローが実現。/btwでメインの作業を中断せずに別のことを頼む
/btw(By The Way)は、メインタスクを進めながら横道にそれることなく別の指示を渡せる機能。「メインの実装をしながら、/btw このコメントも直しておいて」という感覚。コンテキストを汚さずにサブタスクを処理できる隠しコマンド。–bareフラグで非インタラクティブ実行を最適化する
claude -p(SDK経由の非インタラクティブ実行)のデフォルトは、ローカルのCLAUDE.md・設定・MCPを自動検索する。しかしBoris本人が「これは設計ミスだった」と認めている。非インタラクティブ利用では--bareフラグで無効化し、--system-prompt・--mcp-config・--settingsを明示的に指定するべき。将来バージョンではデフォルトが変わる予定。–add-dirで複数リポジトリを横断する
--add-dir(または/add-dir)で他のリポジトリを追加できる。フロントエンドとバックエンドが別リポジトリでもClaudeが同時に参照して実装できる。モノレポでないプロジェクトでの開発効率が大幅に上がる。/voiceで音声入力を使う
/voiceコマンドで音声入力が使える。長い指示をタイピングする代わりに話しかけるだけでClaudeに指示できる。特にスマホでのモバイルセッション時に威力を発揮する。コンテキストを口頭で説明しながら作業できるため、複雑な要件の伝達が効率化する。Chrome拡張でブラウザとClaudeを統合する
6. 【モバイル編】iOSアプリ・Dispatch・どこでも作業
「私はコーディングしていない時はDispatching(遠隔操作)している」——Boris Cherny
- 朝、スマホのClaude iOSアプリでセッションを起動→後で確認できるようにタスクを投げておく
- 通勤中にスマホでPRをレビュー・承認。PCを開かずに作業が前進する
/remote-controlでPC上で動いているセッションをスマホから操作- WhatsApp経由で権限確認プロンプトが届き、スマホで承認/拒否できる(Hooks設定)
- Dispatch(Cowork)でメール・Slack・ファイル管理をPCなしで遂行
iOSアプリのCodeタブ——スマホでフルセッション
Dispatch(Cowork)でPCいらずの遠隔操作
NEW
7. 【精度向上編】出力品質を上げる実践Tips
最も重要なTips——「Claudeに出力を自分で検証させる」
最重要
auto-compact設定でコンテキストを自動管理する
NEW
/compactを実行するauto-compact設定。長時間セッションでコンテキストが溢れてパフォーマンスが落ちる問題を自動解決する。手動でコンテキストを管理する手間が省け、並列セッション運用時の品質が安定する。/rewindで会話を巻き戻す
/rewindで会話履歴を特定のポイントまで巻き戻せる。「この方向性は違った」と気づいた時に、分岐点まで戻って別のアプローチを試せる。コンテキストを汚さずに方向修正できるため、試行錯誤のコストが大幅に下がる。Skills(スキル)でワークフローを再利用する
重要
/スキル名で呼び出すだけで実行できる。Skills+/loopの組み合わせが最も強力で、定型タスクの完全自動化が実現する。/fewerpermsで権限を絞って安全に実行する
セキュリティ
/fewer-permsモードでClaudeの実行権限を制限できる。本番環境やセキュリティが重要な場面では、Claudeに最小限の権限だけ与えることでリスクを低減。新しいプロジェクトや慣れないコードベースで試す際は、まずfewer-permsから始めることが推奨されている。8. LIF Tech実務視点——マーケ・SEOへの応用
Boris TipsはエンジニアのためのTipsに見えて、実はマーケター・SEO担当者・コンサルタントにも直接使える内容が多い。
- CLAUDE.mdにLIF Tech・クライアント情報を記述——すらら・ウェルベストのターゲット・トーン・禁止表現を記録して毎回の指示を短縮する
- /batch+Worktreeで記事10本を並列制作——deai-making.jp・kirameki-kids.jpの大量記事制作に直結。/batchがインタビューして各記事タスクを自動分配
- /loop /seo-check——公開済み記事のGSC順位低下を定期監視して改善タスクを自動生成するループを設計できる
- Skillsに「LIF Tech記事テンプレート」を登録——h2/h3構成・CSS・FAQ設計の全ルールをSKILL.mdに書いて/liftechで呼び出す
- スマホDispatching——移動中にiOSアプリからSEO分析の指示を出して、帰宅後にPC上で成果物を確認するフロー
9. よくある質問
「ほとんどのユーザーは機能の20%しか使っていない」——Borisが公開したこの数字は謙遜ではない。CLAUDE.mdの更新習慣・Thinking Modeの選択・Worktreeの活用だけで、今日から体感が変わる。LIF Techではこの領域の実務事例を今後も発信していきます。
