Gemini Omniとは?
動画を「理解」して作るAI——
World Modelと使い方を徹底解説
「動画版のGemini」がついに登場——テキスト・画像・音声、なんでも動画に変換するAIモデルの全貌。従来の動画AIが「それらしい映像」を作るのに対し、Gemini Omniは物理法則や文化的背景を理解したうえで「次に何が起こるべきか」を推論しながら映像を生成する。2026年6月30日にAPI提供も開始され、Geminiアプリ内ではVeoを置き換える位置付けになった。
- Gemini Omniとは何か、VeoやSoraとの決定的な違い
- 「World Model」という設計思想が意味すること
- 4つの主要機能と実際にできること
- 無料で使える方法と有料プランの違い
- 2026年6月30日に開始したAPI提供の使い方
- 日本語コンテンツ制作への活用シーン
Gemini OmniとVeoの違い——2026年10月の最新状況
結論から言うと、Googleの動画生成の主役はVeoからGemini Omniに移りつつある。Geminiアプリの動画生成のページには「Veo 3.1を置き換える」と書かれ、Gemini APIでもVeo 3.1のプレビュー版3モデルが2026年10月22日に提供終了予定で、後継として gemini-omni-1.1-flash が案内されている。
| 比べる点 | Gemini Omni | Veo(3.1) |
|---|---|---|
| 何が得意か | テキスト・画像・音声・動画を組み合わせた入力から動画を作り、会話しながら編集できる | テキストや画像から高品質な動画を作る専用モデル |
| Geminiアプリ | 動画生成の主役(Google AIのプラン加入者向け) | アプリではOmniに置き換え |
| Gemini API | gemini-omni-1.1-flash(2026年8月27日) | プレビュー版3モデルが10月22日に終了予定 |
| APIの料金 | 動画出力100万トークンあたり$17.50。720pの1秒は5,792トークンで、実質約$0.10/秒 | Veo 3.1 Fastの720pは$0.10/秒(料金ページに掲載中) |
| 電子透かし | すべての動画にSynthID | SynthID |
Omni 1.1 Flash(2026年8月27日)で増えたこと:直前の映像を最大10秒参照して続きを作れるようになり、10秒ずつ最大40秒まで延長できる。最初と最後のコマを指定して間をつなぐ機能、最大60%速く作れる360pの下書き(720pの約3分の1のコスト)、1080p・4Kへの拡大も加わった。AI Studio、Agent PlatformのAPI、Flow(Plus・Pro・Ultra、全世界)で使え、Geminiアプリではシーンの延長が使える。
Geminiアプリで使う条件:Google AIのプラン(Plus・Pro・Ultra)が必要で、18歳未満は使えない。1回に入れられる参照素材は動画1本と画像5枚まで。1日の生成本数の上限は公開されておらず、利用上限は計算量で決まる(Plusは標準の2倍、Proは4倍、UltraはProの5倍または20倍)。日本円のプラン料金はVeo3の料金ガイドの第0章にまとめた。
公式ページ同士の食い違い:プレビュー版 gemini-omni-flash-preview の終了日は、変更履歴では9月30日、廃止予定ページでは10月22日。Omni 1.1 Flashは料金ページと変更履歴では一般提供(GA)、モデル一覧ではプレビューの欄に載っている。
Gemini Omniとは?「動画を理解するAI」という新次元
2026年5月19日のGoogle I/O 2026で発表された「Gemini Omni(ジェミニ・オムニ)」は、一言で言うと「Geminiの頭脳を持つ動画生成AI」です。
これまでの動画生成AI(RunwayやKlingなど)は「それらしい映像を作る」ことに特化していました。Gemini Omniはアプローチが根本的に違います。物理法則・歴史・科学・文化的背景を理解したうえで「次に何が起こるべきか」を推論しながら映像を生成する——Googleはこれを「World Model(世界モデル)」と呼んでいます。
さらにGemini Omniはテキスト・画像・音声・動画・スケッチなど、あらゆる入力から動画を生成・編集できる「any-to-any」設計です。写真1枚でも、音声だけでも、既存動画の一部分でも——組み合わせて指示すれば、自然な動画が出来上がります。
「World Model」って何?——Soraや他の動画AIと何が違うのか
従来の動画生成AIは「学習した映像パターンを組み合わせて、それらしい絵を作る」モデルです。たとえば「ガラスが割れる動画」を生成すると、学習データに基づいた「割れっぽい映像」が出てきますが、物理的な正確さは保証されません。
Gemini Omniは違います。Geminiが持つ「物理・歴史・科学・文化」の知識が動画生成に組み込まれているため、「現実世界でこれが起きたら、次に何が起こるか」を推論して映像を作ります。Googleが「テキスト予測から現実世界のシミュレーションへ」と表現しているのはこの意味です。
また、Gemini Omniはバイオリンを弾く人物・背景・カメラアングルを会話しながら段階的に変えていける「マルチターン編集」に対応しています。一発生成で終わりではなく、対話を重ねながら理想の映像に近づけていける設計です。
Gemini Omniの4つの主要機能
- 複数ターンにわたって編集を積み重ねられる
- プロンプト1つで完結させる必要がない
- 「ここだけ直したい」という部分修正にも対応
- 物理法則を踏まえた自然な動きの表現
- 文化的・歴史的文脈を理解した映像生成
- 「次に何が起こるか」を推論しながら生成
- 人物・ロケーション・スタイルを別々に指定可能
- 素材のスタイルやカメラワークだけを抽出して別映像に適用
- 複数素材の一貫した統合が得意
- 自分そっくりの見た目・声で動画を生成できる
- 写真アップロードのステップを省略できる
- 利用は完全にオプトイン(任意)で本人限定
どこで使える?料金は?——プラットフォーム別まとめ
Plus以上
Plus以上
無料で利用可
今すぐ無料で試したい場合は、YouTube ShortsまたはYouTube Createアプリが最短ルートです。フル機能を使いたい場合はGemini AI Plus($7.99/月)以上への加入が必要です。
agy)へ一本化されています(詳細はGemini CLI終了|使えない原因とAntigravity CLI(agy)移行手順)。
こんな使い方ができる——実践的な活用シーン
Veo・Runway・Kling・Soraとの違いは?
一言でまとめると:Gemini Omniは「AI的に正しい映像を対話しながら作る」次世代モデルで、GeminiアプリにおけるVeoの後継的な位置付けになりつつあります。RunwayとKlingは引き続き「キャラクターの一貫性・モーション精度を追う」独自路線で差別化しています。YouTube Shortsでの無料利用ができる点も、他サービスにはない強みです。
AIが作った動画かどうか、どうわかる?——SynthIDとは
Gemini Omniで生成されたすべての動画には、肉眼では見えないデジタル透かし「SynthID」が自動で埋め込まれます。再エンコードやリサイズといった一般的な編集を加えても消えない設計になっています。これは画像生成側でも同じ仕組みで、SynthIDとC2PA Content Credentialsの違い、そして「透かしを消していい/ダメ」の線引きはGemini画像生成 完全ガイドで詳しく整理しています。商用利用や納品物に使う場合はそちらもあわせて確認してください。
SynthIDが埋め込まれた動画かどうかは、Geminiアプリ・Chrome上のGemini・Google検索から確認できます。ファイルをアップロードして「これはGoogle AIで生成されたものか」と尋ねると、SynthIDの有無をチェックしたうえでGemini自身が推論して回答する仕組みです。
よくある質問
まとめ:Gemini Omniが変える動画制作の常識
Gemini Omniは「動画を生成するAI」ではなく「動画を理解して対話しながら作るAI」です。World Modelという設計思想が示す通り、単なる映像生成の域を超えた、現実世界をシミュレートするモデルへの第一歩といえます。2026年7月時点では、GeminiアプリにおけるVeoの後継的な位置付けであることが公式に明言され、APIも一般提供が始まるなど、発表当初より一段階前進した状態にあります。
特に注目したいのは、YouTube Shortsで無料利用できるという点です。試すハードルが極めて低く、SNS運用やコンテンツ制作に今すぐ活かせます。まずは手元の写真や短いテキストで試してみることをおすすめします。開発者であれば、Google AI StudioからAPI経由で試すのも簡単です。
動画長10秒の制限が解除され、Veoからの移行が本格化した先に何が起きるか——Gemini Omniは、AI動画生成の次の章を開く存在になりそうです。今後の展開をLIF Techで引き続き追っていきます。
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