Grokの使い方完全ガイド|
4つの入口と料金・
コンパニオン・CLIまで【2026年】
「grok cli」で検索して出てくる情報は、実は2つの別物を指している——xAI公式のコーディングエージェント「Grok Build」と、有志が開発した同名多数の非公式ツール群「Grok CLI」だ。この記事では、この混同を最初に整理したうえで、Xアプリ・grok.com・API・CLIという4つの入口、DeepSearch等の主要機能、料金、コンパニオンモードまでを1本にまとめる。
1. 結論——まずどこから始めるか
→ Xアプリのサイドバーから「Grok」を開く。追加登録不要で最速
→ grok.com または専用アプリ。Xアカウントがなくても利用可能
→ xAI API。従量課金で画像・動画・音声機能も呼び出せる
→ 公式の「Grok Build」を選ぶ(非公式の「Grok CLI」との違いは第4章で必読)
2. Grokとは何か——モデルの現在地
Grok(グロック)は、イーロン・マスク氏率いるxAIが開発する生成AIだ。2023年の公開以来、モデルの更新が速いことで知られており、2026年8月時点の系譜は次のようになっている。
| 時期 | モデル | 主な進化点 |
|---|---|---|
| 2025年7月 | Grok 4 | xAIのフラッグシップモデルとしてリリース |
| 2025年11月 | Grok 4.1 | 感情知性(EQ)の大幅向上、ハルシネーション削減。無料ユーザーにも展開 |
| 2026年2月 | Grok 4.20(ベータ) | 4つの専門エージェントが並列処理するマルチエージェント構成を導入 |
| 2026年3月以降 | Grok 4.20継続更新 | ベータ版の細かな改善が連続的に実施されている |
| 2026年7月8日 | Grok 4.5 | 現行のフラッグシップ。コーディング・エージェントタスク・知識労働に最適化。API料金は入力$2/出力$6(100万トークンあたり)と最安値クラス。推論の深さ(reasoning effort)をlow/medium/highの3段階で指定できる。Grok Buildの既定モデルにもなっている |
| 2026年8月 | Grok 4.6 | 公式リリースノートに掲載。API料金は入力$2/出力$6 |
| 2026年9月 | Grok 4.7 | 2026年10月時点の最新モデル。コンテキストは50万トークン、知識は2026年5月まで。API料金は入力$2/出力$6(100万トークンあたり、20万トークン未満) |
特徴はX(旧Twitter)とのリアルタイム連携だ。ChatGPTのWeb検索がWebサイトを参照するのに対し、GrokのDeepSearchはSNS上の生の投稿まで検索対象に含める。「今この瞬間、Xで何が語られているか」を拾える点は、他の主要AIにない強みだ。
3. 【重要】4つの利用ルートを整理する
Grokは思った以上に入口が多い。目的に応じて選び方が変わるので、先に全体像を整理する。
| ルート | 必要なもの | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| Xアプリ内 | Xアカウント | 追加登録不要。サイドバーから即起動 | すでにXを使っている人 |
| grok.com/専用アプリ | メール等での登録 | Xアカウント不要。ChatGPT感覚で単体利用 | Xを使っていない人 |
| xAI API | APIキー | 従量課金。自社サービスへの組み込み向け | 開発者・法人 |
| Grok Build(公式CLI) | SuperGrok契約 or APIキー | ターミナル常駐型のコーディングエージェント | エンジニア |
Web/アプリでの始め方(最短ルート)
4. 【要注意】「Grok CLI」は実は2つの別物
ここが、他の解説記事のほとんどが整理できていない最大の混乱ポイントだ。「grok cli」で検索すると、性質の異なる2つのツールが同じ名前で扱われている。
xAI公式
- xAIが公式に開発・提供するコーディングエージェント
- Claude Code・Codex CLIと同じ「ターミナル常駐型」のカテゴリ
- 最大8体のAIエージェントを並列実行できるArena Mode
- SuperGrok契約者向けだが、APIキーでも検証可能
- 既定モデルはGrok 4.5(2026年7月8日以降)
- Plan Mode・サブエージェント・MCP連携に対応
サードパーティ(非公式・複数存在)
- xAI公式ではなく、有志によるオープンソースプロジェクト
- 同じ「Grok CLI」という名前を掲げるツールが複数存在する
- 代表例は GitHub上の「superagent-ai/grok-cli」
- Node.js環境が前提。xAIのAPIキーを使って動作する
- 無料で使えるが、開発主体・保守状況はプロジェクトごとに異なる
Grok Buildのセットアップ手順(概略)
1. SuperGrokプランを契約する(または xAI API キーを取得する) 2. 公式のインストールスクリプトを実行する:curl -fsSL https://x.ai/cli/install.sh | bash 3. 認証を済ませてターミナルで起動 4. Plan Modeでタスクを計画させてから実行、または対話的に指示を出す
Grok Buildは2026年5月にベータとして公開され、本体のコードはGitHub(xai-org/grok-build)でApache-2.0ライセンスで公開されている(2026年10月11日時点でスターは2万7,310)。対話画面(TUI)のほか、画面なしで動かすヘッドレス実行にも対応している。xAIは8月に、クラウド上の常駐コンピューターで動くAIチームメイト「Grok Bot」も公開した。
Grok Buildの詳しいセットアップ・料金・活用事例は、既存記事のGrok Buildオープンソース化の裏側|データ外部送信問題と「自分でビルドすれば安全か」を検証で深掘りしている。特にセキュリティ観点まで踏み込みたい場合はこちらを参照してほしい。
同じ「ターミナル常駐型」のカテゴリには他社のツールもある。承認モードやサンドボックスの設計思想を比べたい場合はClaude Code完全ガイド2026とCodex CLI使い方完全ガイド|インストール・Windows・承認モードを参照してほしい。Google陣営は事情が変わっており、旧Gemini CLIは2026年6月18日に個人向け提供が終了してAntigravity CLI(agy)へ一本化された(Gemini CLI終了|使えない原因とAntigravity CLI移行手順)。なおGrok 4.5はCursorでも選択できるため、エディタ側で試す手もある(Composer 2.5とは?料金・Fastモード・Opus 4.7との違いを実測で解説【Cursor】)。
5. 主要機能の使い方——DeepSearch・Think・Imagine
🔍 DeepSearch——SNSの生の声まで検索する
通常のWeb検索に加え、X上のリアルタイムな投稿を検索対象に含める機能。「〇〇についての最新の反応をまとめて」といった指示に強い。研修の現場でも、この機能を教えると最も驚かれるという声がある。
🧠 Think(推論モード)
複雑な問題を段階的に整理しながら回答する推論特化モード。込み入った分析や、順を追った説明が必要な場面に向く。
🎨 Imagine(画像・動画生成)
テキストから画像・短い動画を生成する機能。SNS向けの短尺紹介動画(数秒程度)などの用途で使われている。生成回数には日次の上限があり、上位プランでも制限がかかる場合がある。商用利用の際は必ず利用規約を確認してほしい。
6. 具体的な活用例——業務別プロンプト集
機能を知っているだけでは使いこなせない。ここでは「どんな場面で、何を、どう指示するか」を業務別に整理する。すべてコピペしてそのまま試せる。
📊 マーケティング・広報担当者向け
自社商品・キャンペーンへのリアルタイムな反応を把握する
DeepSearchの本領はここにある。Web検索では拾えない「今この瞬間のSNSの空気」を把握できる。
〈自社商品名/キャンペーン名〉について、直近24時間のX上の反応をDeepSearchで調べてください。 好意的な意見・否定的な意見・単なる言及に分類し、特に否定的な意見があれば具体的な内容を要約してください。
競合の新商品・発表への市場の反応を先取りする
プレスリリースが出た直後、まだニュース記事になっていない段階の反応を拾える。
〈競合企業名〉が発表した〈新商品・施策名〉について、Xでの反応をDeepSearchで調べてください。 期待の声・懸念の声・具体的な指摘に分けて整理し、自社が学ぶべき点を3つ挙げてください。
炎上・クレームの兆候を早期に察知する
クレームが記事化される前の初期段階で拾えるのがDeepSearchの強み。ただし、ここで拾った情報は初動確認用であり、対応判断は必ず人間が行う。
〈自社名/ブランド名〉に関する直近12時間のX上の投稿を調べてください。 ネガティブな投稿があれば、投稿数の規模感(少数の個別意見か、広がりのある話題か)と、 具体的にどのような指摘がされているかを整理してください。
📝 コンテンツ企画・SNS運用担当者向け
今バズっている話題から企画のタネを見つける
〈自社の業界/領域〉に関連して、直近1週間でXで話題になっているトピックを5つ挙げてください。 それぞれについて、なぜ話題になっているのかの背景と、 自社アカウントで取り上げる場合の切り口の案を1つずつ添えてください。
投稿の反応が悪かった原因を分析する
以下の投稿への反応が想定より伸びませんでした。原因として考えられる要素を、 文面・タイミング・話題性の3つの観点から分析してください。 【投稿内容】 〈投稿本文を貼り付け〉
Imagineで使うSNS用ショート動画の指示例
約6秒程度のテキスト→動画生成に向く指示の型。
〈商品名〉を紹介する6秒程度の短い動画。 明るい色調、テンポの良いカット割り、商品名がテキストで一瞬表示される構成。
💼 経営・企画担当者向け
業界の最新動向を一次情報に近い形で把握する
〈業界名〉における直近1ヶ月の重要な出来事を、Web記事とX上の当事者・専門家の発言の両方から DeepSearchで調べてください。報道されている内容と、当事者のリアルタイムな発言に 違いがあれば、その点も指摘してください。
複雑な意思決定をThinkモードで整理する
複数の選択肢がある局面で、判断材料を段階的に洗い出させる使い方。
〈検討中の施策・意思決定の内容〉について、想定されるメリット・デメリット・ リスクを段階的に整理してください。最終的な判断は行わず、 判断に必要な論点を漏れなく洗い出すことを目的としてください。
👨💻 エンジニア向け(Grok Build)
既存コードベースの調査を任せる
grok "このリポジトリの認証まわりの実装を調査して、使われているライブラリと 主要な処理フローを300字程度でまとめて"
Arena Modeで複数の実装案を比較する
Grok Build独自の機能。同じタスクを複数のエージェントに並列で実装させ、比較検討できる。
grok --arena "この関数のパフォーマンスを改善して。 複数のアプローチで実装し、それぞれの処理時間を比較して報告して"
ヘッドレスモードでCI/CDに組み込む
対話なしで一発実行する形式。シェルスクリプトや他の自動化パイプラインから呼び出す用途に向く。
grok -p "変更されたファイルに対応するテストが存在するか確認し、 不足していれば作成して" --single
7. 料金プラン比較【2026年10月】
Grokは2026年6月から、有料プランの利用枠が全製品共通の週ごとの枠になった(チャット・Imagine・音声・Grok Build・APIで共有、公式FAQ)。枠を使い切ったら追加クレジットを買うか、上位プランに切り替える。無料の枠(チャット・音声)は別枠で、回数は公開されていない。
| プラン | 日本のApp Storeの表示 | 内容 |
|---|---|---|
| 無料 | 0円 | チャット・音声を無料枠の範囲で使える |
| SuperGrok Lite | 1,500円 | 有料プランの入り口 |
| SuperGrok | 5,000円 | 週ごとの利用枠が大きくなる。Grok Buildも同じ枠で使える |
| SuperGrok Plus | 15,000円 | さらに大きな枠 |
| SuperGrok Heavy | 50,000円 | 最上位。公式のプランページでは、X Premium+が追加料金なしで付くと案内 |
| 追加クレジット | 800円($5)〜15,000円($100) | 週の枠を使い切ったあとに追加購入 |
2026年10月11日に日本のApp Store(Grokアプリ)の課金項目で確認。月額か年額かはページに表示されていない。ドル建ての月額は公式ページで確認できなかった。Xの有料プランでは、X Premiumで利用上限が引き上げられ、X Premium+にはSuperGrokとGrok Botが付く(Xのヘルプ)。
APIの料金(100万トークンあたり、20万トークン未満)
| モデル | 入力 | キャッシュ入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
| grok-4.7(2026年9月、最新) | $2.00 | $0.50 | $6.00 |
| grok-4.6 | $2.00 | $0.50 | $6.00 |
| grok-4.5 | $2.00 | $0.30 | $6.00 |
| grok-build-0.1 | $1.00 | $0.20 | $2.00 |
出典:xAIのAPI料金ページ(2026年10月11日確認)。grok-4.7は20万トークン以上で入力$4・出力$12。画像は1枚$0.02〜0.05、動画は1秒$0.02〜0.08。
8. コンパニオンモード・関連機能へのハブ
Grokには、本記事で扱った基本機能以外にも、キャラクターと会話する「コンパニオンモード」(2026年9月にGrokアプリでの提供を終了し、別アプリ「Animates」に移行)など、独自の機能がある。詳細は既存記事で個別に深掘りしているので、興味に応じて読み進めてほしい。
- Grokコンパニオンモードは終了|移行先Animatesの使い方・料金(2026年9月に終了)
- Grok Buildオープンソース化の裏側|データ外部送信問題と「自分でビルドすれば安全か」を検証——セキュリティ観点
- Fable 5×Grok 4.5「司令塔・実装部隊」体制を検証——Opus 4.8・GPT-5.5との使い分け完全ガイド——Grok 4.5の実運用
- ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot比較【2026年10月】最新モデル・料金・弱点・予算別おすすめ
- AIモデルの使い分け方|タスク別おすすめLLM——タスク別の割り当てを決める
- AIコスト最適化完全ガイド|企業のAI利用料削減方法と事例
- Claude Code完全ガイド2026|最新機能・料金プラン・実践活用法まとめ
- Codex CLI使い方完全ガイド|インストール・Windows・承認モード
- Gemini CLI終了|使えない原因とAntigravity CLI(agy)移行手順
9. 法人利用で押さえておきたい観点
① DeepSearchの情報源はSNSであることを踏まえる
リアルタイム性は強みだが、SNS上の投稿は玉石混交だ。重要な意思決定に使う情報は、DeepSearchの結果を鵜呑みにせず、出典元を確認する運用を徹底したい。
② コーディング用途は「公式」を選ぶ
前述の通り、業務のコア部分に組み込むCLIツールは、保守体制が明確な公式のGrok Buildを選ぶのが無難だ。非公式の「Grok CLI」群は個人の検証・学習用途にとどめておきたい。
③ 画像・動画生成機能はトラスト&セーフティ観点の確認を
Grok Imagineをはじめとする生成機能については、各国の規制当局から生成コンテンツの安全性をめぐる調査を受けていると報じられている。顧客向けサービスにGrokの画像・動画生成機能を組み込む場合は、自社のトラスト&セーフティ方針と照らして、利用範囲を慎重に検討してほしい。
10. 他の主要AIとの違い
| 比較項目 | Grok | ChatGPT/Claude/Gemini |
|---|---|---|
| リアルタイム性 | ◎——X上の投稿まで検索対象 | Web検索が中心 |
| 感情知性(EQ) | Grok 4.1以降で高評価 | モデルにより差がある |
| コーディング性能 | Grok 4.20で改善傾向だが、上位モデルに一歩譲る場面がある | Claude系が優位との評価が多い |
| API単価 | 比較的安価な傾向 | モデルによる |
| コンパニオン機能 | 独自機能として提供 | 一般的には非搭載 |
各AIの得意分野をタスク別に整理したい場合はChatGPT・Claude・Gemini・Copilot比較も参照してほしい。
11. よくある質問
Grok・ChatGPT・Claude・Geminiと選択肢が増えるほど、「どれをどの業務に使うか」の設計が難しくなります。ツール選定から社内ルールの整備まで、LIFRELLのAIマーケティング相談をご活用ください。各種AI・SaaSツールを実際に有料契約して検証している立場から、現場目線で一緒に整理します。
社内での生成AI定着から着手したい場合は生成AIeラーニング研修おすすめ完全ガイド、開発チームへのAIツール導入はClaude Code法人導入支援・研修もご覧ください。
