スマホから自分のPC上のPaseoを使うには、公式Relayでペアリングする方法と、Tailscale経由で直接接続する方法がある。Tailscaleは接続経路を作る役割で、AIの実行は接続先のPCが担当する。PCを停止すれば、そのPC上の作業も続けられない。
この記事は、既にPCでPaseoとエージェントが動いている人向けだ。外出先で結果を確認し、次の作業を依頼する最小構成を示す。ルーターのポートをインターネットへ公開する設定は、この手順には含めない。
RelayとTailscaleの選び方
| 接続方法 | 初期設定 | 向く状況 |
|---|---|---|
| Paseo Relay | Paseoでペアリングを有効にしQRを読む | まずスマホ接続を試したい |
| Tailscale | PCとスマホを同じtailnetへ登録し直接接続 | 既にTailscaleを使っている、接続範囲を管理したい |
| SSH | PC側のSSH環境が必要 | DesktopやCLIから既存サーバーへ接続したい |
公式資料はRelayをエンドツーエンド暗号化と説明している。どの方式でも、接続先host、共有する端末、実行してよい操作は自分で管理する。Paseo Connectivityを基準に設定する。
先に確認する3つの状態
- PC単体でPaseoを開き、試用フォルダーの一覧を取得できる。
- PCとスマホのTailscaleで、同じネットワークに参加している。Tailscale公式の初期設定に沿って端末を登録する。
- PCを接続可能な状態で稼働させる。スリープ、ログアウト後、再起動後の動作は、自分の環境で別々に確認する。
Tailscaleで直接接続する手順
1. PC側でTailscaleのIPv4アドレスを確認する。以下は確認用コマンドだ。
tailscale ip -4
2. Paseoの設定をバックアップしてから、既存のdaemon設定にlistenを追加する。下のアドレスは例なので、必ず実際のTailscale IPへ置き換える。ファイル全体をこの断片で上書きしない。
"daemon": {
"listen": "100.101.102.103:6767"
}
3. Paseo DesktopのSettings → 対象host → Overview → Restart daemonで再起動する。CLI管理なら次のコマンドを使う。
paseo daemon restart
4. スマホでTailscaleを接続し、PaseoのSettings → Add host → Direct connectionから、HostにPCのTailscale IP、Portに6767を指定する。公式のTailscale手順ではUse SSLをオフにする。これはTailscale内の暗号化された経路を前提とする設定であり、インターネットへ同じサービスを公開する手順ではない。
5. PCと同じワークスペースが見えるか確認し、まず読み取りだけの依頼を送る。接続後は、不要な共有端末がtailnetに残っていないかも確認する。
外出前に行う6つの動作確認
| テスト | 依頼・操作 | 合格条件 |
|---|---|---|
| 対象の一致 | 今開いている作業フォルダー名だけを回答して | PCで指定した場所と一致 |
| 読み取り | inputのファイル名だけを一覧にして | 想定した資料が見える |
| 新規出力 | output/mobile-check.txtに確認用の短い文を書く | PCでもそのファイルが見える |
| 人の確認 | 書き込みが必要なら、予定する変更を先に示して | 確認段階を区別できる |
| 回線変更 | 自宅Wi-Fiからモバイル回線へ変える | 再接続後も同じhostを確認できる |
| 復旧 | 接続を切り、再び接続する | 履歴と成果物の状態が把握できる |
接続できないときの切り分け
| 症状 | 先に確認 | 避ける対応 |
|---|---|---|
| タイムアウト | 両端のTailscale接続、IP、tailnetのアクセスルール | 原因不明のままルーターを開放する |
| Connection refused | daemonの起動と待ち受けIP・ポート | AIモデルの認証を何度もやり直す |
| PCでは動くがスマホに出ない | 選択したhostとワークスペース | 違うhostへ同じ資料を再登録する |
| 設定を変えても同じ | JSONの構文とdaemon再起動 | config全体を例文で置き換える |
| PCスリープ後に止まる | 端末の稼働状態 | VPNが計算処理を代行すると考える |
CLIが見つからない問題は接続とは別だ。PC側のProviders診断を先に直す。ネットワークの再設定とプロバイダーの再設定を同時に行うと、どちらが原因だったか分からなくなる。
よくある質問
Tailscaleは必須?
Paseo Relayを使う方法もある。用途と管理方針で選ぶ。
スマホ側にモデルを入れる?
この構成ではPC側のエージェントを使う。スマホは操作・確認用だ。
PCの電源を切っても動く?
そのPCが実行hostなら動かない。VPNはPCの代わりにAIを実行しない。
同じWi-Fiが必要?
同じtailnetで接続できれば、異なる回線から利用する構成を作れる。実際のアクセスルールを確認する。
社内PCにもそのまま設定してよい?
会社の端末・ネットワーク規定を確認し、承認された端末と経路で構成する。
小さく始めて運用に移す
- 今日:PCとスマホが同じhostを参照することを確認する。
- 今週:自宅Wi-Fiと外出先回線で、読み取り・保存・復旧を試す。
- 来月:本当に必要な操作だけを、担当端末とセットで運用手順にする。
関連する使い方
Claude Codeの導入 / Claude Codeのエラー対処
LIFRELLへの相談
外出先からのAI作業確認、端末ごとの役割分担、成果物レビューの導線を業務に合わせて整理する。
公式資料と確認日
企画の参考:monograph「【続】僕達のAIの使い方、全部見せます。」。本記事の設定例・プロンプト・確認表はLIF Tech編集部が独自に構成した。出演者の実践結果を本記事の検証結果として扱っていない。
公式情報の確認日:2026年10月31日。実機での導入・生成・性能測定は本記事では未実施。手順は公式資料に基づき、作例は実施用の設計例として掲載している。画面、料金、利用条件は変更される場合がある。
