Microsoftは2026年、AIの仕事に合わせて認定資格を大きく入れ替えた。AI-900・AI-102・AZ-204・AZ-500・DP-100などの定番資格が6〜9月に相次いで廃止され、代わりにAI-901・AI-103・AI-200・AI-300・SC-500といった新しい試験が登場している。本記事では、Microsoft Learnの試験ページ・スタディガイドと公式ブログをもとに、新しいAI資格それぞれの中身と、どれから受けるべきかを整理する。
2026年10月11日時点の情報:Microsoft Learnの各試験ページとスタディガイド(日本語版)、Microsoft公式ブログ「The AI job boom is here. Are you ready to showcase your skills?」(2026年3月3日公開、5月28日更新)で確認した。資格の全体像と廃止スケジュールはAzure認定資格 一覧で詳しく扱っている。
この記事でわかること
- 新しいAI資格5つと、廃止された資格との対応
- 各試験の出題範囲の配分(公式スタディガイドより)
- 日本語で受験できる試験・できない試験
- 目的別のおすすめの受験順
1. 新しいAI資格の一覧——どの資格の後継か
Microsoft公式ブログは、AIの仕事が増えていることを背景に、生成AIや自律的に動くエージェントに合わせた新しい資格を投入し、既存の資格の一部を廃止すると発表した。後継の対応は次のとおりだ。
| 新しい試験(資格名) | 後継元(廃止日) | レベル | 日本語での受験 |
|---|---|---|---|
| AI-901(Azure AI Fundamentals) | AI-900(2026年6月30日) | 初級 | できる |
| AI-103(Azure AI Apps and Agents Developer Associate) | AI-102(2026年6月30日) | 中級 | できる |
| AI-200(Azure AI Cloud Developer Associate) | AZ-204(2026年7月31日) | 中級 | できる |
| AI-300(Machine Learning Operations Engineer Associate) | DP-100(2026年6月1日) | 中級 | 英語のみ |
| SC-500(Cloud and AI Security Engineer Associate) | AZ-500(2026年8月31日) | 中級 | Microsoft Learnの試験ページは確認できず |
| AZ-802(Windows Server Administrator Associate) | AZ-800/AZ-801(2026年9月30日) | 中級 | 英語のみ |
いずれも合格ラインは1,000点中700点(各スタディガイドより)。受験料は受験する国・地域によって決まる。廃止された資格をすでに持っている人は、有効期限までそのまま有効で、廃止によって無効にはならない(公式ブログのFAQ)。ただし、旧資格を持っていても新資格が自動でもらえるわけではなく、新しい試験に合格する必要がある。
2. AI-901:AIの基礎(初級)
AI-900の後継で、資格名は「Azure AI Fundamentals」のまま変わらない。AIの基本的な考え方と、Microsoft Foundryを使ったAIソリューションの実装が出題される。AIの仕事を始めたばかりの人向けだが、Pythonの基本的な書き方を知っていると役立つとされる。
| 出題分野 | 配分 |
|---|---|
| AIの概念と機能を特定する | 40〜45% |
| Microsoft Foundryを使用してAIソリューションを実装する | 55〜60% |
英語版の試験内容は2026年4月15日に更新された。日本語を含む13言語で受験できる。Fundamentals(初級)の資格には有効期限がない(公式ブログのFAQ)。
3. AI-103:AIアプリとエージェントの開発者(中級)
AI-102の後継。Microsoft Foundryを使ってAIエージェントやAIソリューションを構築・管理・デプロイするAzure AIエンジニア向けの資格で、Pythonでのアプリ開発経験が前提になる。試験時間は120分。
| 出題分野 | 配分 |
|---|---|
| Azure AIソリューションの計画と管理 | 25〜30% |
| 生成AIとエージェントソリューションの実装 | 30〜35% |
| コンピュータービジョンソリューションの実装 | 10〜15% |
| テキスト分析ソリューションの実装 | 10〜15% |
| 情報抽出ソリューションの実装 | 10〜15% |
配分が最も大きいのは生成AIとエージェントの実装で、旧AI-102と比べてエージェント開発の比重が高い構成になっている。
4. AI-200:AIクラウド開発者(中級)
AZ-204の後継。バックエンドのサービスとコンポーネントに重点を置き、要件の整理から設計・開発・デプロイ・セキュリティ・監視まで、AzureでのAIソリューションの開発全体を担う開発者向けだ。Azure SDK、データ管理サービス、メッセージングとイベント、ベクターデータベースなどの知識が求められる。試験時間は120分。
| 出題分野 | 配分 |
|---|---|
| Azureでコンテナー化されたソリューションを開発する | 20〜25% |
| Azureデータ管理サービスを使用してAIソリューションを開発する | 25〜30% |
| Azureサービスに接続して使用する | 20〜25% |
| Azureソリューションのセキュリティ保護、監視、トラブルシューティング | 20〜25% |
2026年10月11日時点で、Microsoft Learnの練習問題(プラクティス評価)はまだ提供されていない。試験ページには、練習問題は通常、試験がベータ版を終えて一般公開されてから8週間以内に用意されると書かれている。
5. AI-300:機械学習の運用エンジニア(中級)
DP-100の後継。機械学習の運用(MLOps)と生成AIの運用(GenAIOps)の仕組みをAzure上に整える人向けの資格だ。Microsoft Foundryで生成AIアプリやエージェントをデプロイ・評価・監視・最適化する経験に加え、Azure Machine Learningで従来の機械学習モデルを扱う経験が求められる。試験は英語のみ。
| 出題分野 | 配分 |
|---|---|
| MLOpsインフラストラクチャの設計と実装 | 15〜20% |
| 機械学習モデルのライフサイクルと運用を実装する | 25〜30% |
| GenAIOpsインフラストラクチャの設計と実装 | 20〜25% |
| 生成AIの品質保証と可観測性の実装 | 10〜15% |
| 生成AIシステムとモデルのパフォーマンスを最適化する | 10〜15% |
6. SC-500:クラウドとAIのセキュリティエンジニア(中級)
AZ-500の後継。公式ブログは、セキュリティの役割をクラウドとAIモデルの保護まで広げた資格だと説明している。AIソリューションを構築・運用するための安全な環境を、企業向けの最新のセキュリティの考え方と制御で設計・実装できることを示すものだ。公式ブログでは、ベータ版が2026年5月、トレーニングと試験は7月に提供予定とされていた。なお、2026年10月11日時点でMicrosoft Learn上のSC-500の試験ページは確認できなかったため、受験を考えている人はMicrosoft Learnで最新の提供状況を確認してほしい。
7. 目的別:どれから受けるべきか
| 目的 | おすすめの順番 |
|---|---|
| AIの基礎から始めたい | AI-901 → 目的に応じてAI-103かAI-200 |
| AIアプリやエージェントを作りたい | AI-901(任意)→ AI-103 |
| Azureでのバックエンド開発にAIを組み込みたい | AI-200(旧AZ-204の学習経験がある人はこちら) |
| 機械学習・生成AIの運用を担当する | AI-300(英語のみなので注意) |
| クラウドとAIのセキュリティを担当する | SC-500(提供状況を確認してから) |
日本語で受験できるかどうかは大事な判断材料だ。AI-901・AI-103・AI-200は日本語で受験できるが、AI-300とAZ-802は英語のみとなっている(2026年10月11日時点の試験ページ)。
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Azure認定資格 一覧【2026年10月】廃止された資格と後継・有効期限・レベル別の選び方——全資格の一覧と、廃止スケジュール・更新方法
よくある質問
Q. AI-900を持っていますが、無効になりますか?
A. 無効にはならない。試験AI-900は2026年6月30日に終了したが、取得済みの資格はそのまま残る。Fundamentalsの資格には有効期限がない(公式ブログのFAQ)。これから受ける場合は新しい試験AI-901を受ける。
Q. AI-102やAZ-204を持っていれば、新しい資格に切り替わりますか?
A. 切り替わらない。新しい資格はそれぞれ別の試験に合格して取得する必要がある。旧資格は有効期限までは有効だが、廃止日以降は更新できない。
Q. 新しい試験は日本語で受けられますか?
A. AI-901・AI-103・AI-200は日本語で受験できる。AI-300とAZ-802は英語のみ(2026年10月11日時点の試験ページ)。SC-500はMicrosoft Learn上の試験ページが確認できなかった。
Q. 合格点は何点ですか?
A. 各スタディガイドによると、合格には1,000点中700点以上が必要だ。
Q. AI-103とAI-200の違いは?
A. AI-103はMicrosoft Foundryを使ったAIエージェントや生成AIアプリの構築が中心で、AI-200はコンテナー・データ管理・メッセージングなど、AzureでAIを組み込んだバックエンドを開発する力が中心になる。前者は旧AI-102、後者は旧AZ-204の後継だ。
