広告審査AIや薬機法チェックツールは増えたが、「実際に人の審査とどれくらい同じ判断をするのか」を数字で示した情報はほとんどない。本記事では、LIF Techを運営する株式会社LIFRELLが、健康食品メーカーの育毛剤(医薬部外品)の広告クリエイティブ142本を使い、広告主の実際の審査結果を正解として4回の目隠しテストを行った記録を公開する。どこまでAIに任せられたか、何がうまくいかなかったか、ルールをどう直したら数字が動いたかまで、具体的な手順とあわせて解説する。
この記事の前提:テストは2026年10月4〜5日に実施。正解は広告主(メーカー)の審査担当が実際に出した指摘で、合計687件。クライアント名・商品名・メディア名は伏せている。AIの判定は法的な判断の代わりにはならず、最終的な掲載可否は広告主と専門家が判断するものだ。
この記事でわかること
- 広告審査AIの精度:人の審査と比べた4回のテスト結果(動画・画像・記事別)
- AIが見落としやすいもの、厳しすぎる指摘が出る理由
- ルールの直し方で数字がどう変わったか(試行錯誤の記録)
- AI広告審査の仕組み(図解)と、自社で始める7つの手順
- AIに任せてよいこと・人が決めるべきこと
- 広告審査AI・薬機法チェックツールの種類と選び方
結論:AIは「下見役」として十分使える。最終判断は人
先に結論をまとめる。4回目のテスト(初めて見る35本)では、人の指摘のうち51.5%と同じ指摘をAIが出し、部分的に合っているものまで含めると84.5%をカバーした。とくに画像広告は、部分一致まで含めて98.3%(58件中57件)だった。
| 見えたこと | 中身 |
|---|---|
| 任せられる | 画像広告の下見、必要な注釈の抜けや文言違いの確認、記事LPの上から順の網羅チェック |
| まだ人が必要 | 動画(一致は40%前後)、注釈の大きさ・色・表示時間の判断、広告主ごとの「注釈を付ければOK」という運用の判断 |
| 意外な収穫 | 人が出していない指摘の中に、もっともな指摘(妥当な追加)が毎回一定数あった |
つまり、AIに一次チェックをさせ、人は「AIの指摘の採否」と「AIが苦手な部分」に集中する分担が現実的だ。以下、なぜそう言えるのかを、テストの設計から順に見ていく。
1. なぜ広告審査をAIで効率化したかったのか
きっかけは、ある新商品の広告開始のときに、メディアから提出されるクリエイティブの審査が回らなくなったことだった。現場で起きていたのは、次のような状態だ。
- 提出が一度に集中する:開始日が前倒しになり、レギュレーション(掲載ルール)が確定する前から各メディアが制作を始めていた
- 審査の窓口が1人に集中し、指摘の場所も4か所に分かれていた:審査ツール、スプレッドシート、チャットなどに指摘が散らばり、版の管理もなかった
- 例外の扱いがばらばら:「この日まではOK」といった例外が人ごとに違い、期限の管理もなかった
- メディア側はAIで大量に制作する:作る側の速度が上がったのに、審査する側は人手のままだった
作る側がAIで量産する時代に、審査だけ人手で全件を見続けるのは無理がある。そこで、人の審査担当が見る前に、AIが下見をして指摘の候補を出す仕組みを作り、それが本当に使えるのかを測ることにした。
そもそも広告審査では何を確認するのか
健康食品・化粧品・医薬部外品の広告審査では、主に次の法律やルールに照らして表現を確認する。AIに審査させる場合も、何を見ればよいかの土台はここにある。
| 法律・ルール | 主に見るところ | 広告での例 |
|---|---|---|
| 薬機法(医薬品医療機器等法) | 効能効果の誇大な表現、承認された範囲を超える表現(誇大広告等の禁止) | 「これだけで生える」「医師も推薦」のような表現 |
| 医薬品等適正広告基準 | 医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の広告の具体的な基準 | 効果の保証、安全性の保証、医薬関係者の推薦など |
| 景品表示法 | 実際より著しく優れていると見せる表示(優良誤認)、取引条件を著しく有利に見せる表示(有利誤認) | 根拠のないNo.1表示、「今だけ」の常態化など |
| 特定商取引法 | 通信販売の表示。定期購入では、申し込みの最終確認画面での条件表示 | 定期の回数・総額・解約条件の表示 |
| 広告主・媒体のレギュレーション | 法律に加えて、商品ごとに決められた禁止表現と必要な注釈 | 「この数字には調査の注釈を付ける」など |
実際の審査では、法律だけでなく広告主ごとのレギュレーションと過去の判断が大きな比重を占める。今回のテストでも、AIの見落としや厳しすぎる指摘の多くは、法律の知識ではなく「その広告主の運用」に関わるものだった。
2. AI広告審査の仕組み(図解)
作った仕組みは、次の流れだ。ポイントは、AIに広告をそのまま渡すのではなく、AIが見落としにくい形に素材を整えてから渡すことと、判断の根拠を「レギュレーション」と「広告主の過去の判断」だけに絞ることにある。
青=AIに任せる工程、黄=人が判断する工程。
素材を整える工夫
- 動画は1秒ごとの静止画を一覧にする:全体の流れを一目で見られるようにし、気になる秒だけ大きな画像で確認させる
- 画面下20%を高解像度で切り出す:注釈は画面下の小さな文字に出ることが多く、そのままだと読み取れないため
- 音声は文字起こしして渡す:ナレーションのNG表現を拾うため。ただし商品名や専門用語は誤認識が多いので、よくある誤変換の一覧も一緒に渡し、「意味で読む」ように指示した
- 同じ系列の動画は、違う区間だけを見る:冒頭だけ差し替えた動画が何本もあるため、基準の1本を全部見たあとは差分だけを審査させた
判断の根拠を絞る
AIは一般的な知識から「それっぽいNG」を作りがちだ。そこで、根拠にしてよいのはその商品のレギュレーションと広告主の過去の判断の事例集の2つだけと決め、どちらにも根拠がない点は「要確認」とし、理由に「レギュレーションに明記なし」と書かせた。事例集は、過去のやり取りから広告主の実際の判断を拾って作った。
3. テストの方法——広告主の実際の判断を「正解」にした目隠しテスト
AIの審査が使えるかどうかは、「それらしい指摘を出すか」ではなく、広告主の審査担当と同じ判断をするかで測るべきだ。そこで、すでに人が審査を終えたクリエイティブを使い、人の指摘を正解としてAIの指摘と照らし合わせた。
- 目隠しにする:テストに使うクリエイティブについての判断は、AIに渡す事例集から抜いた。答えを見ながら審査することにならないようにするためだ
- 正解は広告主の判断:AIだけが出した指摘を「人の見落とし」とは扱わず、「広告主に確認する候補」として別に数えた
- 採点の区分:人の指摘ごとに「一致」「部分一致(場所や理由は合っているが直し方が違うなど)」「見落とし」「照合不能」に分け、AIだけの指摘は「妥当な追加」「厳しすぎ」「判断保留」に分けた
4. 結果:4回のテストの数字
4回のテストの結果をまとめる。「再現率」は、人の指摘のうちAIも同じ指摘を出した割合だ。
| テスト | 対象 | 人の指摘 | 一致 | 部分一致込み | 厳しすぎの割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1弾 | 動画26本 | 214件 | 63.7% | 75.1% | 15.6% |
| 第2弾 | 81本(画像41・動画34・記事6) | 356件 | 34.0% | 55.6% | 11.3% |
| 第3弾 | 第2弾と同じ81本(ルールを改善) | 356件 | 47.3% | 68.0% | 6.6% |
| 第4弾 | 初めて見る35本(画像24・動画11) | 117件 | 51.5% | 84.5% | 9.1% |
再現率は、照合できた指摘を分母にした値。厳しすぎの割合は、AIの指摘全体のうち、広告主の基準から見て厳しすぎるものの割合。
種類別に見ると、得意・不得意がはっきり分かれた
| 種類 | 結果 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 画像 | 第2弾 一致32.3%・部分込み61.3% → 第4弾 一致60.3%・部分込み98.3% | 注釈を拡大して確認する手順を入れてから大きく改善。見落としは58件中1件だけになった |
| 記事LP | 第2弾 一致17.7%・部分込み30.8% → 第3弾 一致58.5%・部分込み69.2% | 最初は一番弱かった。「上から順にブロックごとに全部見る」指示で40ポイント以上改善 |
| 動画 | 一致は第1弾63.7%から第4弾40.0%、部分込みは66.7〜76.0%で横ばい | 注釈の表示時間や、映像の一瞬の要素の判断が難しい。照合できない指摘も残った |
5. 見えた課題——AIが見落としたもの、厳しすぎたもの
見落としの多くは「注釈」だった
第1弾では、見落としの多くが注釈に関するものだった。たとえば次のような指摘を、AIは出せなかった。
- 「1日2回の継続使用」のような使用条件の注釈が足りない場面
- 反対に、その場面には不要になった注釈が残っている場面
- 「画像はイメージです」「個人差があります」などを冒頭から常に表示するという、その広告主の運用
第2弾の画像では、注釈が小さい・背景の色と同化して読めないという指摘をほとんど拾えなかった。文言が正しくても、読めなければ意味がない。人の審査担当は、ここを細かく見ていた。
厳しすぎる指摘が多かった
第1弾では、AIの指摘のうち15.6%が、広告主の基準から見て厳しすぎるものだった。原因は、AIが「注釈を付ければOK」という広告主の運用を知らず、素材の削除やNGを求めてしまうことだった。実際の広告主は、映像や素材のリスクの多くを「注釈を足せば可」で通している。
AIだけの指摘が多い。ただし中身はまちまち
AIの指摘の7〜8割は、人が出していない指摘だった。その中にはもっともな指摘(妥当な追加)が毎回まとまってあった(第4弾ではAIの指摘274件中88件)。一方で、判断を保留すべきものや厳しすぎるものも混ざる。AIの指摘をそのまま差し戻しに使うと、メディア側の修正の手間が増えるので、人が採否を決める工程は外せない。
具体例で見るAIの指摘と見落とし
| 区分 | 実際にあった例 | 読み取れること |
|---|---|---|
| AIだけが出した、もっともな指摘 | 画像広告の「1本でも生えてればOK」というテロップ。レギュレーションでは「生える(ひらがなも)」がNGの語とされ、「髪1本でもあればOK」と書き換えるよう決められていた。同じシリーズの画像で、人の審査では指摘がなかった | 人が見慣れたシリーズで見逃しやすいものを、AIはルールどおりに拾う。ただし広告主が運用で許容している可能性もあるため、「確認する候補」として扱った |
| AIの見落とし(注釈の不足) | 動画の2秒目、使用回数をうたうテロップに、使用条件の注釈が出ていない | 短い時間だけ出るテロップと注釈の対応は、静止画の一覧からは拾いにくい |
| AIの見落とし(不要な注釈) | 表彰のシーンに、前の場面の注釈がそのまま残っている | 「足りない」だけでなく「余分」も指摘対象だと、ルールに書くまでAIは気づかなかった |
| AIの見落とし(読みやすさ) | 画像の注釈が小さい、背景の色と同化して読めない | 文言が合っているかだけでなく、拡大して見え方まで確認させる必要があった |
同じ動画でも、作り方で精度が変わった
第1弾の26本を系列ごとに見ると、精度に差があった。共通の本編に冒頭だけを付け替えた系列(7本)では、一致が72.7〜80.0%と安定していた。一方、別の系列(4本)では一致が33.3〜66.7%にとどまり、最も低い1本は一致16.7%(部分一致込み50.0%)だった。共通部分が多い系列は、基準の1本をしっかり審査すれば残りは差分だけを見ればよいので、AIの得意な形になる。
6. 試行錯誤の記録——ルールをどう直したら数字が動いたか
第2弾のあと、AIに渡す「審査の進め方」を書き直した。効いた変更と、その結果は次のとおりだ。
| 変更したこと | ねらい | 結果 |
|---|---|---|
| 判定の順番を「まず注釈で直せるか」にした。NGや削除にするのは、明らかな発毛的表現・医師を連想させる素材・実在の番組や企業のロゴなど、決まった場合だけ | 広告主の「注釈を足せば可」という運用に合わせる | 厳しすぎの割合が11.3%→6.6%に下がった |
| レギュレーションにも事例にも根拠がない語は、指摘しない(要確認にもしない) | 一般的な誘導語などへの過剰な指摘を減らす | 同上。AIの指摘が「使える指摘」に寄った |
| 注釈のチェックリストを作った。特定の文言や素材が出たら、必要な注釈が①あるか②規定の文言と一字一句同じか③その場面が出ている間ずっと表示されているか、を確認させる | 注釈の抜け・文言違いの見落としを減らす | 画像の部分一致込みが98.3%に(第4弾) |
| 画像は、全体を見たあと注釈部分を拡大し、文言と背景との色の差を確認させた | 「小さい・背景に溶けて読めない」注釈を拾う | 画像の見落としが58件中1件に(第4弾) |
| 記事は、見出し・本文・口コミ・マンガのセリフ・画像内の文字・注釈を、ブロックごとに上から全部チェックさせた | 長い記事の途中を読み飛ばすのを防ぐ | 記事の一致が17.7%→58.5%に(第3弾) |
| 不要な注釈・重複・作業メモの混入・誤字も指摘対象に入れた | 人が実際に出している「消す」指摘を拾う | 注釈の削除系の指摘を出せるようになった |
一方で、うまくいかなかったこともある。第3弾では、画像の「部分一致込み」が61.3%→46.8%に下がった。厳しすぎる指摘を減らした結果、以前は部分的に当たっていた指摘まで出さなくなったためだ。厳しさを下げると、拾える範囲も一緒に狭まる。このあと、注釈の確認手順(チェックリストと拡大確認)を足した第4弾で、画像は大きく回復した。
まだ解決できていないこと
- 動画の一致率:40%前後にとどまる。注釈が「その場面の間ずっと表示されているか」や、一瞬だけ映る要素の判断が難しい
- 照合できない指摘:人の指摘の書き方が曖昧で、AIの指摘と突き合わせられないものが残る(第4弾で11件)
- 広告主ごとの運用:「この注釈は冒頭から常に表示」のような広告主独自のルールは、事例集に入っていないとAIは知りようがない
7. 自社でAI広告審査を始める7つの手順
- 根拠を2つに絞って用意する:商品ごとのレギュレーション(禁止表現・必要な注釈の一覧)と、過去の審査の判断事例。事例は「どの表現を、なぜ、どう直したか」の形にする
- 注釈のチェックリストを作る:「この文言・素材が出たら、この注釈が必要」という対応表。文言は一字一句で書く
- 素材の形を整える:動画は1秒ごとの静止画と、注釈が出る部分の拡大画像、音声の文字起こし。記事LPは上から順にブロックに分ける
- 判定の順番を決める:まず「注釈で直せるか」。NGや削除にする条件は具体的に列挙する
- 出力の形式を固定する:時刻(または場所)・種類・該当箇所・判定・理由・根拠・修正案。根拠のない指摘は「要確認」と明記させる
- 目隠しテストで測る:すでに人が審査した広告で、人の指摘を正解にして照らし合わせる。テストに使う広告の判断は事例集から抜いておく
- 運用では「AIが下見、人が最終判断」:AIの指摘の採否と、AIが苦手な部分(動画の注釈の表示時間、読みやすさ)を人が確認する
【審査ルールの書き方の例(抜粋のイメージ)】 ・根拠にしてよいのは、レギュレーションと過去の判断事例だけ。どちらにも根拠がない語や演出は指摘しない。 ・判定はまず「注釈を足せば可か」を考える。NG(素材の差し替え・削除)は次の場合だけ: - レギュレーションのNG欄にある文言 - 医師を連想させる素材、実在の番組・企業のロゴ など ・次の文言や素材が出たら、注釈が「ある/規定どおりの文言/その場面の間ずっと表示」の3点を確認: - 使用回数・時間の表現 → 使用条件の注釈 - 体験談・口コミ → 「個人の感想であり〜」 - 写真・イラスト・再現映像 → 「画像はイメージです」 ・注釈は拡大して、文言と背景との色の差(読めるか)を確認する。 ・不要な注釈・重複・作業メモの混入・誤字も指摘する。
AIの前に整えたい、審査の運用
審査が回らなくなった原因は、AIがないことだけではなかった。実際の診断から見えた、AIと一緒に整えたい運用は次のとおりだ。
- 版の管理:提出のたびにシート名(版)を書く、修正ごとに新しいシートを作る、戻したあとは編集しない、をメディアと合意する
- 例外の台帳:「この日まではOK」のような例外を、誰がOKしたか・期限・差し替えの確認者と一緒に1か所に記録する
- 受付の締め切りと上限:新商品は、レギュレーションが確定してから広告開始まで期間を空け、各社の提出本数に上限を設ける
- 指摘の窓口を1つにする:審査ツール・スプレッドシート・チャットに分かれた指摘を1か所に集める
- 判断の事例集:過去のやり取りから判断を拾ってまとめる。これはそのまま、AIに渡す根拠にもなる
8. AIに任せてよいこと・人が決めるべきこと
| AIに任せてよいこと | 人が決めるべきこと |
|---|---|
| 大量のクリエイティブの下見、注釈の抜けや文言違いの確認、記事の網羅チェック、指摘の下書き(場所・理由・修正案) | AIの指摘を採用するか、最終的な掲載の可否、例外を認めるかとその期限、レギュレーションの解釈が分かれる表現 |
広告表現が薬機法や景品表示法に違反していないかの最終的な責任は、広告主にある。AIはあくまで審査担当の負担を減らす道具で、法的な判断の代わりにはならない。判断に迷う表現は、専門家に確認してほしい。
9. 広告審査AI・薬機法チェックツールの種類と選び方
広告審査にAIを使う方法は、大きく分けて次の3つがある。
| 種類 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 文章チェック型のツール | 広告文や記事のテキストを入れると、NGになりやすい表現を指摘する | 記事LPや広告文が中心で、まず表現の目安がほしい |
| 画像・動画にも対応するツール、専門家の確認付きサービス | クリエイティブ全体を見て指摘する。判断に迷うものを専門家が確認するサービスもある | 動画や画像が多く、社内に審査の専門家がいない |
| 生成AIで自社用に作る(本記事の方法) | 自社のレギュレーションと過去の判断を根拠にできる。テストと改善を自分たちで回す必要がある | 商品ごとの独自ルールが多く、広告主の判断に合わせたい |
ツールを選ぶときは、次の点を確認するとよい。
- 自社のレギュレーションや過去の判断を読み込ませられるか:一般的なNG表現だけでは、広告主ごとの運用に合わない
- 画像・動画の文字(注釈)まで読めるか:注釈の抜けや読みにくさは、今回のテストで一番見落とされやすかった
- 根拠を示して指摘するか:どのルールのどの項目に当たるかが分からないと、採否を判断できない
- 自社の広告で精度を試せるか:導入前に、すでに人が審査した広告で目隠しテストをするのが確実だ
広告の表現チェックまで含めて、獲得を任せたい方へ
広告審査AIは、実際の獲得案件の運用の中で作りました。成果報酬型の広告(アドアフィ)で、表現のチェックから配信の管理まで一緒に進める支援をしています。
運営:株式会社LIFRELL
この記事で使った管理シート(無料ダウンロード)
本記事の4回の目隠しテストで実際に使った照合表を、テンプレートにした。書き方の例を入れた「記入例」シートと、空欄の記入用シートが入っているので、使い方を見ながら自社用に書き換えて使える。
【無料ダウンロード】広告審査AIの照合シート(Excel)
人の審査(正解)とAIの判断を1件ずつ突き合わせる照合表・AIだけが指摘したものの分類・注釈ルール表・一致率の自動集計の5シート。


【無料ダウンロード】動画広告の審査チェックシートとAI審査設計(Excel)
動画広告を「NG」「注釈で直せる」「指摘しない」の3段階で判定するためのルール表と、カットごとの審査表、AIに審査を任せるときの指示文をひとまとめにしました。人が審査しても、AIに下審査をさせても、同じ物差しで判断できます。
入っているシート:判定ルール表・カット別審査表・注釈の確認・AIへの審査指示(ほかに「はじめに」と記入例)。


広告・動画の制作でAIを使った実例は、AIで広告・動画をつくる実例まとめに工程ごとにまとめている。
この記事で紹介したものを含め、実務で使っている依頼文とプロンプトはAI業務の依頼文・プロンプトテンプレート集にまとめている。
よくある質問
Q. 広告審査AIの精度はどれくらいですか?
A. LIFRELLのテストでは、初めて見る35本で、人の指摘のうち51.5%と同じ指摘をAIが出し、部分的に合っているものを含めると84.5%をカバーした。画像は部分一致込みで98.3%だったが、動画の一致は40%前後で、種類によって差が大きい。
Q. 薬機法チェックをAIだけに任せても大丈夫ですか?
A. おすすめしない。AIは注釈の見え方や広告主独自の運用を見落とすことがあり、反対に厳しすぎる指摘を出すこともある。AIは下見に使い、最終判断は人が行うのが安全だ。
Q. AIが厳しすぎる指摘ばかり出す場合はどうすればいいですか?
A. 「注釈を足せば可か」を先に判断させ、NGにする条件を具体的に列挙し、根拠のない語は指摘しないように指示すると減らせる。LIFRELLのテストでは、厳しすぎる指摘の割合が11.3%から6.6%に下がった。
Q. 動画広告もAIで審査できますか?
A. できるが、画像や記事より難しい。動画を1秒ごとの静止画、注釈部分の拡大画像、音声の文字起こしに分けて渡すと審査しやすくなる。ただし注釈の表示時間や一瞬の映像の判断は、人の確認が必要だった。
Q. AI広告審査を始めるのに何を準備すればいいですか?
A. 商品ごとのレギュレーションと、過去の審査で広告主が実際に出した判断の事例集の2つだ。とくに事例集の質が、AIの判断を広告主の基準に近づけるうえで重要だった。
執筆:LIF Tech編集部(株式会社LIFRELL)。アドアフィリエイトの運用支援で行った社内テスト(2026年10月4〜5日)の記録にもとづく。クライアント名・商品名・メディア名は伏せている。
