LM StudioとOllamaは、どちらもローカルでAIモデルを動かすために使える。画面でモデルを探して試すならLM Studio、コマンドやAPIを軸に既存の処理へ組み込むならOllamaが候補になる。ただし、LM StudioにもCLI・APIがあり、Ollamaにもアプリとクラウドモデルがある。
「GUIかCLIか」「無料か有料か」の二択だけでは、今の製品は比べにくい。この記事では実行場所、モデル、業務への接続方法を揃えて比較する。速度の実測ランキングではなく、選定と導入テストの手順だ。
LM StudioとOllamaの比較表
| 比較軸 | LM Studio | Ollama |
|---|---|---|
| 導入の入口 | アプリでモデル検索・ダウンロード・チャット | アプリまたはターミナルから開始 |
| ローカルAPI | Developer画面、lms、REST API | ローカルサーバーとAPI |
| 画面なしの運用 | llmsterを提供 | サーバーとして運用可能 |
| 実行場所 | ローカルに加え、LM Link・Bionicのクラウド等 | ローカルとクラウドを選択 |
| モデルの確認 | 配布元・形式・量子化を確認 | モデル名・タグ・実行先を確認 |
| 向いている導入試験 | 担当者が画面で回答や設定を比べる | 既存スクリプトとつなぎ入力・出力を比べる |
機能の根拠:LM Studio公式ドキュメント、Ollama Quickstart。表の「向いている導入試験」は、それぞれの操作方法をもとにした編集部の選定目安だ。
最初に決めるのは「どこで推論するか」
ローカルモデルは自分の機器で推論する。クラウドモデルは外部の計算環境で処理する。別の自社端末へ接続する運用もある。アプリ名がローカルLLM向けだからといって、選んだモデルの処理が必ず手元で完結するわけではない。
LM Studioは、ダウンロード済みのモデルを使うチャットや文書処理をオフラインで実行できると説明している。一方、モデル検索・ダウンロード・更新には通信が必要だ。BionicにはLocal・Remote・Cloudの選択肢がある。オフライン動作と実行場所の説明を分けて確認する。
LM Studioを試す5ステップ
- 公式サイトからOSに合うアプリを導入し、必要スペックを確認する。
- Discoverで対象モデルを探し、配布元とライセンスを確認する。
- モデルのサイズ・量子化・対応ランタイムを見て、機器に収まるものをダウンロードする。
- チャットで公開情報の短い文章を処理し、固有名詞・数値・指示への従い方を確認する。
- APIが必要な場合だけDeveloper画面でStart serverを使い、画面に表示された接続先を確認する。
モデル検索と量子化の選択は公式のモデル取得手順、API起動は公式のローカルサーバー説明を参照。基本操作はローカルLLMの始め方でも整理している。
Ollamaを試す5ステップ
- 公式配布元からOSに合うOllamaを導入する。
- ローカルとクラウドのどちらを使うか決める。最初の比較は両製品とも同じ実行場所に揃える。
- モデル名とタグを選ぶ。ローカルの例として、公式Quickstartが案内するGemma 4 E2Bを用いる場合は以下のコマンドを使う。
- 同じ文章と指示を入力して、LM Studio側と回答を比較する。
- APIを使う場合は接続先を確認する。最初の検証は自分のPC内に限定し、共有が必要になってから認証や接続範囲を設計する。
ollama run gemma4:e2b
# In another terminal, inspect the loaded model.
ollama ps
モデル取得では通信とディスク容量が必要になる。上のコマンドは公式手順に基づく例で、本記事での速度測定は行っていない。モデルの背景はGemmaの解説へ。
費用はモデル利用料だけで比べない
| 費用の項目 | ローカルで見る点 | クラウドで見る点 |
|---|---|---|
| 機器 | PC・GPU・メモリ・ストレージ | 手元の高性能GPUが不要な場合がある |
| 継続費 | 電力、保守、担当者の時間 | 利用プラン、クレジット、従量料金 |
| モデル | 商用利用・再配布の条件 | 提供サービスとモデルの利用条件 |
| 品質確認 | 独自の評価データを用意 | 同じ評価データで比較 |
| 共有 | 接続管理・認証・同時実行 | アカウント・権限・データ条件 |
「ローカルだから費用ゼロ」「同じモデル名だから同じ品質」とは判断しない。量子化、文脈長、推論設定、同時利用者数まで揃えて初めて比較しやすくなる。
両製品へ同じ条件で投げる6つの評価プロンプト
公開情報または架空データで試す。正解がある項目を用意し、所要時間だけでなく誤りと手直し時間を記録する。
Summarize the following text in Japanese in three bullets. Preserve all numbers and dates. Do not add facts. Text: [TEXT]
Extract company names, dates, and amounts from the text. Return a JSON array. Use null for missing values. Text: [TEXT]
Answer the question using only the provided source. Cite the exact supporting sentence. If the answer is absent, say Not found. Source: [TEXT] Question: [QUESTION]
Compare draft A and draft B. List only factual changes in Japanese. Do not judge writing style. A: [TEXT] B: [TEXT]
Classify each inquiry as pricing, technical, cancellation, or other. Return the original inquiry and its category. Inquiries: [TEXT]
Rewrite the following Japanese email politely. Preserve the requested deadline and do not make new promises. Email: [TEXT]
外部送信とモデル互換性の制限
Ollamaはローカル実行時とクラウド利用時のデータ処理を区別している。クラウド機能を無効にする設定も公式FAQにある。アプリの設定だけでなく、接続するエディタ、MCP、検索ツールが外部へ送信する情報も確認する。Ollama公式FAQを参照。
画像・音声入力、ツール呼び出し、構造化出力は、モデルと実行環境の組み合わせで対応が変わる。モデルの配布ページに機能が書かれていても、利用中のアプリがすべて扱えるとは限らない。
よくある質問
初心者はLM Studio一択?
一択ではない。画面で比較したいか、すでに使っているツールに接続したいかで選ぶ。
Ollamaには画面がない?
現在はアプリから始める手順もある。CLI専用という説明だけでは不十分だ。
LM Studioは自動化できない?
CLI、API、ヘッドレス運用の選択肢がある。GUI専用ではない。
どちらが速い?
この比較では速度を測定していない。同じ機器・モデル・設定・入力長で測る必要がある。
両方インストールできる?
比較は可能だが、モデルの二重保存や同時ロードによる容量・メモリ不足に注意する。
会社の機密データを入れてよい?
実行先と接続ツール、社内ルールを確認して判断する。ローカルという名称だけでは決めない。
今日から進める3つのアクション
- 今日:実行場所と用途を決め、機器に合うモデルを選ぶ。
- 今週:両製品で同じ6つの質問を試し、誤りと手直し時間を比べる。
- 来月:採用した構成の接続先、利用条件、運用担当者を文書に残す。
LIFRELLへの相談
ローカルLLMの選定と導入に向けて、機器、モデル、評価データ、業務への接続方法を相談できる。
参照した公式情報
確認日:2026年10月31日。機能・画面・提供条件は変わる場合がある。手順・プロンプトは公式資料をもとにした実施例であり、本記事での実機測定結果ではない。利用時は公式情報と自分の環境を確認する。
