ComfyUIのエラーは、表示されたメッセージでおおよその原因が分かる。本記事では、公式ドキュメントのトラブルシューティングに載っているエラーを、「GPU・PyTorch」「モデル」「メモリ」「カスタムノード」「アプリ」の5つに分けて、メッセージの意味と直し方をまとめた。メッセージは画面と見比べやすいよう英語のまま載せている。
2026年10月11日時点の情報:ComfyUI公式ドキュメント(docs.comfy.org)、公式サイト(comfy.org)、GitHub(Comfy-Org)で確認した。ComfyUIの全体像と基本操作はComfyUIの使い方で解説している。
1. まず確認すること
- エラーのダイアログ(「Prompt execution failed」)が出たら、「Show report」を押して詳細を見る
- Comfy Desktopなら、インスタンスの「Manage → Terminal」タブにComfyUI本体の出力が出ている。アプリ自体の記録は Desktop Settings → Logs → Diagnostics →「Open logs folder」の
app.log - ComfyUIが古くないか確認する(Desktopは「Manage → Update」、Portable版は
update_comfyui.bat)
2. GPU・PyTorchのエラー
| エラーメッセージ | 原因と対処 |
|---|---|
| Torch not compiled with CUDA enabled | NVIDIA GPUがあるのに、CUDAに対応していないPyTorchが入っている。下のコマンドで入れ直す。Intel GPUの場合はCUDAではなくXPU用(--index-url https://download.pytorch.org/whl/xpu)で入れ直す |
| cuDNN Frontend error: No valid execution plans built | Blackwell世代のGPUで出ることがある。起動オプション --use-split-cross-attention を付ける |
| libcuda.so.1: cannot open shared object file | Linuxで、CUDAのライブラリの場所が見つからない。LD_LIBRARY_PATH を設定する |
NVIDIA GPUの場合の入れ直し手順(公式ドキュメント):
pip uninstall torch pip install torch torchvision torchaudio --extra-index-url https://download.pytorch.org/whl/cu130 python -c "import torch; print(torch.cuda.is_available())"
最後の行で True と表示されれば、GPUが使える状態だ。
3. モデルのエラー
モデルが見つからない
Prompt execution failed Prompt outputs failed validation: CheckpointLoaderSimple: - Value not in list: ckpt_name: 'model-name.safetensors' not in []
ワークフローが指定したモデルが、所定のフォルダにないという意味だ。チェックポイントなら models/checkpoints/、LoRAなら models/loras/ のように、種類ごとの正しいフォルダに置く。置いたのに一覧に出ないときは、画面で r キーを押して更新するか再起動する。フォルダ分けの一覧はモデルの置き場所とLoRAの使い方にまとめた。
| エラーメッセージ | 原因と対処 |
|---|---|
| Error while deserializing header | モデルファイルが壊れている(ダウンロードの途中で切れたなど)。ダウンロードし直す |
| expected input[1, 16, 128, 128] to have 4 channels, but got 16 channels instead | モデルの種類が合っていない(VAEなどの組み合わせ違い)。ワークフローが前提にしているモデルを確認する |
| mat1 and mat2 shapes cannot be multiplied (154x2048 and 768x320) | SD1.5用とSDXL用の部品(ControlNetなど)を取り違えている。ベースモデルと同じ系統のものに揃える |
4. メモリ不足のエラー
RuntimeError: CUDA out of memory は、GPUのメモリ(VRAM)が足りない状態だ。公式ドキュメントは、起動オプションを次の順で試すよう案内している。
| 順番 | 起動オプション | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | --lowvram | VRAMの使用を抑える |
| 2 | --novram | さらに抑える |
| 3 | --cpu | CPUだけで動かす(とても遅い) |
このほか、--reserve-vram 2(VRAMを一部残しておく)、--disable-smart-memory、--cache-none なども用意されている。画像の解像度やバッチ数を下げる、動画なら長さを短くするのも効果がある。Comfy Desktopでは起動オプションをインスタンスの「Manage → Startup Args」で設定する。手元のGPUで足りない場合は、96GBのGPUを使えるComfy Cloudに切り替える手もある。
5. カスタムノードのエラー
ノードが赤くなる(カスタムノードが入っていない)
他の人が作ったワークフローを開くと、必要なカスタムノードが入っていないためにノードが赤く表示されることがある。ComfyUI Managerの新しい画面では、ワークフローを読み込んだときに案内が出るので、「Install All」でまとめて入れるか、「Open Manager」で中身を確認してから入れる。新しい画面で入れられるのは公式レジストリに登録されたノードだけで、GitのURLからは入れられない。
手動で入れる場合
ComfyUI/custom_nodes に git clone し、必要なライブラリを入れる。Portable版では次のように実行する。
python_embeded\python.exe -m pip install -r ComfyUI\custom_nodes\[ノードのフォルダ名]\requirements.txt
起動時のログに import failed が出ていないか確認する。
どのノードが原因か分からないとき
python main.py --disable-all-custom-nodes
カスタムノードをすべて止めて起動し、半分ずつ有効にして原因を絞り込む(公式ドキュメントの二分探索の方法)。comfy-cliのbisect機能でも自動で絞り込める。
ComfyUI Managerのエラー
| エラーメッセージ | 対処 |
|---|---|
| This action is not allowed with this security level configuration | Managerのセキュリティレベルで操作が止められている。config.ini の security_level を見直す(v0.3.76以降は ユーザーフォルダの __manager/config.ini)。むやみに緩めず、入れるノードを確認してから変える |
| SSL: CERTIFICATE_VERIFY_FAILED | 証明書の確認に失敗している。公式は bypass_ssl = True の設定を案内しているが、通信の安全性が下がるため、会社のネットワークなら管理者に確認する |
6. Comfy Desktop(アプリ)のトラブル
| 症状 | 対処 |
|---|---|
| Macで「"App is damaged"」と出る | システム設定のプライバシーとセキュリティで許可する |
| LinuxのAppImageが起動しない | sudo apt install libfuse2 を入れる。Ubuntu 24.04以降では --no-sandbox を付けて起動する |
| 更新に失敗した | インスタンスのスナップショットから元に戻せる(公式FAQ) |
| GPUが認識されない | インスタンスの「Manage → About」タブの「Change PyTorch」で、CUDA・ROCm・Intel XPU・CPU・Apple MPSから合うものを選び直す |
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よくある質問
Q. 「Torch not compiled with CUDA enabled」と出たら?
A. NVIDIA GPUを使っているのに、GPU対応でないPyTorchが入っている状態。公式ドキュメントの手順では、pip uninstall torch でいったん消し、CUDA対応版(--extra-index-url https://download.pytorch.org/whl/cu130)を入れ直す。
Q. 「Value not in list: ckpt_name」と出たら?
A. 指定したモデルが見つからないというエラー。モデルを正しいフォルダ(チェックポイントなら models/checkpoints)に置き、画面でrキーを押して一覧を更新するか、ComfyUIを再起動する。
Q. 「CUDA out of memory」が出るときは?
A. GPUのメモリ不足。起動オプションに --lowvram を付け、それでも足りなければ --novram、最後の手段として --cpu の順に試す。画像サイズやバッチ数を下げるのも有効。
Q. ワークフローを開いたらノードが赤くなりました。
A. そのワークフローが使っているカスタムノードが入っていない。ComfyUI Managerの新しい画面では、読み込み時に表示される案内から「Install All」でまとめて入れられる。
Q. どのカスタムノードが原因か分からないときは?
A. python main.py --disable-all-custom-nodes でカスタムノードをすべて止めて起動し、半分ずつ有効にして原因を絞り込む。comfy-cliのbisect機能でも自動で絞り込める。
