ComfyUIで「モデルが選べない」「LoRAが効かない」というつまずきの多くは、ファイルを置くフォルダの間違いから起きる。本記事では、公式ドキュメントとComfyUIのソースコードをもとに、モデルの種類ごとの置き場所、Comfy Desktopでの共有フォルダの仕組み、別の場所のモデルを読み込む方法、LoRAの使い方までをまとめる。
2026年10月11日時点の情報:ComfyUI公式ドキュメント(docs.comfy.org)、公式サイト(comfy.org)、GitHub(Comfy-Org)で確認した。ComfyUIの全体像と基本操作はComfyUIの使い方で解説している。
1. モデルの種類と置き場所
ComfyUIでは、models フォルダの中に種類ごとのフォルダがある。主なものは次のとおり。
| フォルダ | 入れるもの |
|---|---|
| checkpoints | 画像生成の本体モデル(SD1.5・SDXLなど、1ファイルにまとまったもの) |
| diffusion_models | 拡散モデル本体だけのファイル(FLUX・Wanなど、部品が分かれているモデル)。古い名前の unet フォルダも読み込まれる |
| text_encoders | 文章を読み取る部品(CLIP・T5・umt5など)。古い名前の clip フォルダも読み込まれる |
| vae | 画像と内部表現を変換する部品 |
| loras | LoRA(追加学習した差分) |
| controlnet | ControlNet(ポーズや線画で構図を指定する部品)。t2i_adapter も含む |
| clip_vision | 画像を読み取る部品 |
| upscale_models | 高解像度化のモデル |
| embeddings | Embedding(Textual Inversion) |
フォルダの対応関係はComfyUIのソースコード(folder_paths.py)で確認した。text_encodersはclipフォルダを、diffusion_modelsはunetフォルダも合わせて読み込む。
💡 モデルを置いたのに選択肢に出てこないときは、画面で r キーを押して一覧を更新するか、ComfyUIを再起動する。それでも出なければフォルダの種類が違う。チェックポイント用のファイルをdiffusion_modelsに入れる、といった取り違えがよくある。
2. Comfy Desktopでの置き場所(共有モデル)
新しいComfy Desktopでは、モデルはすべてのインスタンスで共有される(公式:「Models are shared across instances by default」)。
| OS | 共有モデルの既定の場所 |
|---|---|
| Windows | %LOCALAPPDATA%\Comfy-Desktop\ComfyUI-Shared(古い環境では %USERPROFILE%\ComfyUI-Shared) |
| Mac・Linux | ~/ComfyUI-Shared |
- 場所の確認・変更は「Desktop Settings → Storage → Shared Models」。新しいモデルは「Primary」に指定したフォルダに保存される
- 別の場所を追加するには「+ Add Shared Directory」、保存先を変えるには「… → Make primary」
- インスタンスごとに共有フォルダを使うかどうかは「Manage → Storage」タブで決められる
- テンプレートを開いてモデルが足りない場合、Desktopがダウンロードして、checkpoints・diffusion_models・text_encoders・loras・vaeなどへ自動で振り分ける
3. 別の場所のモデルを読み込む(extra_model_paths.yaml)
Portable版や手動インストールで、Stable Diffusion WebUIなど他のツールのモデルフォルダを共有したい場合は、extra_model_paths.yaml を使う。
- ComfyUIのフォルダにある
extra_model_paths.yaml.exampleをコピーし、名前をextra_model_paths.yamlに変える base_path:に元のフォルダを書き、種類ごとのパスを書く- 保存してComfyUIを再起動する
my_models: base_path: D:/AI/models/ checkpoints: checkpoints/ loras: loras/ vae: vae/
上は書き方の例。グループ名(my_models)やパスは自分の環境に合わせる。is_default: true を書くと、そのグループが既定の保存先になる。Comfy Desktopでは、このファイルの代わりに「Storage」の設定画面で共有フォルダを追加する。
4. LoRAの使い方
① ファイルを置く
LoRAのファイル(.safetensors)を models/loras に置く(Desktopなら共有モデルのフォルダの loras)。
② ノードをつなぐ
チェックポイントを読み込むノードとプロンプトのノードの間に、LoRAのノードを挟む。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入力 | model・clip(チェックポイントから)、lora_name(使うLoRAのファイル) |
| strength_model | 画像の生成部分への効き具合。公式ドキュメントは「値を上げるほどLoRAのスタイルが強くなる」と説明 |
| strength_clip | プロンプトの読み取り部分への効き具合 |
| 初期値と範囲 | どちらも初期値1.0、-100〜100の範囲で0.01刻み(ソースコードの定義)。マイナスの値も指定できる |
| 出力 | model・clip(次のノードへ渡す) |
📌 ノードの表示名に注意:公式ドキュメントは「Load LoRA」と書いているが、現在のComfyUIのソースコードでは、modelとclipの両方に効くノードの表示名が「Load LoRA (Model and CLIP)」、modelだけに効くノードが「Load LoRA」になっている。画像生成でプロンプトにも効かせたい場合は、modelとclipの両方を入力するほうを選ぶ。
③ 強さを調整する
- まずは初期値の1.0で生成し、効きすぎて絵が崩れるなら値を下げて比べる
- LoRAによっては作者が推奨値を書いているので、配布ページを確認する
- LoRAが前提にしているベースモデル(SD1.5用・SDXL用など)と、使っているチェックポイントの系統を揃える。違う系統だと効かないか、エラーになる
④ 複数のLoRAを使う
LoRAのノードを直列につなぐ。1つ目のLoRAの出力(modelとclip)を、2つ目のLoRAの入力に渡す。
5. 商用利用するときの注意
モデルやLoRAは、ファイルごとにライセンスが違う。配布サイトでは同じサイト内でも1件ずつ条件が異なるため、ダウンロード前に各ファイルのライセンス表示を確認したい。ライセンス別の判定はComfyUIの使い方の商用利用の章で扱っている。
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よくある質問
Q. LoRAはどのフォルダに入れますか?
A. ComfyUI/models/loras に入れる。Comfy Desktopの場合は共有モデルのフォルダ(WindowsはComfyUI-Shared)の中の loras が置き場所になる。
Q. LoRAの強さ(strength)はどう決めればよいですか?
A. strength_modelとstrength_clipの初期値は1.0。公式ドキュメントは、値を上げるほどLoRAのスタイルが強く出ると説明している。まず1.0で試し、効きすぎるなら値を少しずつ下げて比べる。作者が推奨値を書いている場合はそれに従う(値はマイナスも指定できる)。
Q. LoRAを2つ以上同時に使えますか?
A. 使える。Load LoRAノードを直列につなげ、1つ目の出力(modelとclip)を2つ目の入力に渡す。
Q. モデルを置いたのに選択肢に出てきません。
A. フォルダが正しいか確認し、画面で r キーを押して一覧を更新するか、ComfyUIを再起動する。
Q. Stable Diffusion WebUI(A1111)のモデルを共有できますか?
A. extra_model_paths.yaml を使えば、別の場所にあるモデルフォルダを読み込ませられる。ComfyUIに同梱の extra_model_paths.yaml.example をコピーして名前を変え、パスを書いて再起動する。
